入り江の入り口のあたりには大きなヨットが一隻停泊し、帆を下ろした高いマストが巨大なメトロノームみたいにゆっくりと左右に揺れていた。
村上春樹「スプートニクの恋人 (講談社文庫)」に収録 ページ位置:58% 作品を確認(amazon)
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帆船・ヨット
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......くはずだ。 ビーチには人影はなかった。ぼくはシャツと水着を脱ぎ、裸になって海に入った。水は心地よく、透明だった。かなり沖に出ても、底にある石まで鮮やかに見えた。入り江の入り口のあたりには大きなヨットが一隻停泊し、帆を下ろした高いマストが巨大なメトロノームみたいにゆっくりと左右に揺れていた。しかしデッキには人の気配はなかった。波が引くときに、無数の小石が運ばれていくざらざらという音だけが物憂げに響いていた。 ひと泳ぎしてから浜辺に戻り、裸のままタオ......
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帆船・ヨットの表現・描写・類語(乗り物のカテゴリ)の一覧 ランダム5
元気に風を孕 んだ帆船は 白いしぶきを蹴って海へ出てゆく
林芙美子 / 新版 放浪記
デッキの上でバタバタと、その(帆布の)切れっ端が洗濯したおしめのように振れていた。
葉山 嘉樹 / 海に生くる人々 amazon
沖を青鯖(さば)色の水を切って走る朱の三角帆の鮮やかさ
中島 敦 / 環礁 ——ミクロネシヤ巡島記抄—— amazon
火の粉のように海を走って行く 勇ましい帆船
林芙美子 / 新版 放浪記
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灰色の雲の中をB29が鈍い眠い音をたてて、何時までも飛んでいた
遠藤周作 / 海と毒薬 amazon
車がゆるやかな流れに吸い込まれるイカダのように右に寄って行く
干刈 あがた / ウホッホ探険隊 amazon
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