彼の眼は我々の頭を越して、青く 霞み出した野に放たれていた。
昇平, 大岡「野火(のび) (新潮文庫)」に収録 ページ位置:15% 作品を確認(amazon)
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前後の文章を含んだ引用
......ぞ」と私は附け加えたかったが、その言葉がこの時、いかにも弱いと私は感じた。 ふと見るとマラリア患者がいつか立ち上り、木につかまって、ふらふらと前後に揺れていた。彼の眼は我々の頭を越して、青く霞み出した野に放たれていた。その視線の方向を顧みたが、別に注意を惹くものはなかった。「どうした」と芋一本の兵士が声を掛けた。「ここらあたりの景色でも気に入ったのか」 兵士は声のする方を見よ......
単語の意味
霞(かすみ)
霞・・・1.遠くにある山などの前に、帯状の煙りのようなものが見える現象。春の朝などによくある、遠くをはっきり見えなくさせる雲のようなもの。
2.目に白いものがかかったようになって、ものがぼんやりと見えること。翳み(かすみ)。
2.目に白いものがかかったようになって、ものがぼんやりと見えること。翳み(かすみ)。
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その眼がわたくしの顔に届く
岡本かの子 / 雛妓
顔を上げて視線を前に向ける。
雫井 脩介「火の粉 (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
釣竿を手にした若い逞 ましい男が、娘の瞳 の対象になっている。
岡本かの子 / 河明り
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ちょうど海にもぐっていて、うす目で明るい水面を見あげるように頭上の空をぼんやり眺めていた。
野上 弥生子 / 野上弥生子短篇集 amazon
おふくろは地蔵のようにいつまでも見送っていた。
浅田次郎 / ろくでなしのサンタ「鉄道員(ぽっぽや) (集英社文庫)」に収録 amazon
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