世界のどこかに開いた傷口から今このときにも時間が血のように流れ出ていく。なにもかもいつかは出血多量に 蒼 ざめて死ぬのだ。
沼田 まほかる「彼女がその名を知らない鳥たち (幻冬舎文庫)」に収録 ページ位置:16% 作品を確認(amazon)
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時間の経過
死を考える
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前後の文章を含んだ引用
......からは延々と時刻を告げ知らせる声と、ツーンと鼓膜に響く音が流れ出てくる。〈午前十時三十八分二十秒をお知らせします。午前十時三十八分三十秒をお知らせします。……〉世界のどこかに開いた傷口から今このときにも時間が血のように流れ出ていく。なにもかもいつかは出血多量に蒼ざめて死ぬのだ。もう一度〈切〉のボタンを押した瞬間、かけるべきところが天啓のように閃く。 テープで壁にとめつけてある請求書やメモのなかから目的の一枚を探り当てて、すぐに番号を押......
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時間の経過の表現・描写・類語(時間・スピードのカテゴリ)の一覧 ランダム5
穏やかな川のようにゆったりと流れる時間。
村上 春樹「羊をめぐる冒険」に収録 amazon
時はどんどん過ぎ去っていく。過去が増えて未来が少なくなっていく。可能性が減って、悔恨が増えていく。
村上 春樹 / ダンス・ダンス・ダンス(下) amazon
油のような時間が流れる
立原 正秋 / 去年の梅 (1979年) amazon
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死を考えるの表現・描写・類語(生と死のカテゴリ)の一覧 ランダム5
死ぬって何だろう。 いなくなって何も言ってくれなくなって、今はここに強く押しつけられている鼻の、その押しつける力の源。そうしたいという意志の器。それが消えてなくなること。 とかげ(人名)のこのさらさらした髪の、キューティクル。ほほに落ちる抜けたまつげ。マニキュアの指の、小さなやけどの 痕。それらすべてを動かしている魂の回転の。
吉本 ばなな / とかげ「とかげ (新潮文庫)」に収録 amazon
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何もすることがないこの空白の時間を、私はうまく過ごせない。
綿矢 りさ「しょうがの味は熱い (文春文庫)」に収録 amazon
「生と死」カテゴリからランダム5
秋の終わりごろに風もないのに木の葉が一枚落ちるみたいな、そんな感じ(の死に方)
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 3 amazon
捨てられた猫のように死んで行く
梅崎 春生 / 桜島 amazon
(娘の死体を見る)母親は自身とは急に遠くなった物でも見るような一種 悽惨 な 冷淡 さを顔に表わして見ていた。
志賀 直哉 / 正義派「城の崎にて・小僧の神様 (角川文庫)」に収録 amazon
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