満月はまだ天頂近くにあった。ホテルの吹き抜けから見上げるとその白い光の線が降ってくるようだった。降り注いで、夜の勢いを育んでいるみたいに見えた。
よしもとばなな / 銀の月の下で「まぼろしハワイ」に収録 ページ位置:85% 作品を確認(amazon)
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月の光・月明かり
月
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前後の文章を含んだ引用
......ったら、きっと少しだけ違ってしまうだろう。水着でばたばた走ったり、砂の上にいきなり座ったり、そんなすてきなことが気持ちをどんどんゆるませていったのがわかった。 満月はまだ天頂近くにあった。ホテルの吹き抜けから見上げるとその白い光の線が降ってくるようだった。降り注いで、夜の勢いを育んでいるみたいに見えた。「じゃあ、寄らせてもらいます。」 広田さんは言った。 私たちは部屋までゆっくりと歩いた。エレベーターまで、そして私の部屋がある階のだれもいない回廊のような廊下を......
単語の意味
見上げる(みあげる)
満月(まんげつ)
見上げる・・・1.下から上のほうを見る。
2.立派だなぁ、と感心する。
2.立派だなぁ、と感心する。
満月・・・月が地球から見て、太陽と正反対の方向にある瞬間。また、このときに月の前面がまんまるに輝いて見える現象。もしくは、このときの月の形。望(ぼう)。望月(ぼうげつ・もちづき)。盈月(えいげつ)。十五夜の月。⇔ 新月(しんげつ)。
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月の光・月明かりの表現・描写・類語(空・中空のカテゴリ)の一覧 ランダム5
(星明かり)中庭はかすかな星明かりの中で白ずんでいる。
阿刀田 高 / 甲虫の遁走曲(フーガ)「ナポレオン狂 (講談社文庫)」に収録 amazon
澄み切った月が、暗く濁った燭(しょく)の火に打ち勝って、座敷がいちめんに青みがかった光を浴びる
森 鴎外 / 佐橋甚五郎 amazon
雨戸の節穴から、凄いほど透き通った月の光がさし入る
北村 薫 / 水に眠る amazon
黒い空に銀紙でも張ったような明るい月
阿刀田高 / ミッドナイト物語 amazon
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月の表現・描写・類語(空・中空のカテゴリ)の一覧 ランダム5
間違いない。月は二個ある。 ひとつは昔からずっとあるもともとの月であり、もうひとつはずっと小振りな緑色の月だった。それは本来の月よりかたちがいびつで、明るさも劣っていた。行きがかりで押しつけられた、だれにも歓迎されない、貧しく醜い遠縁の子供のように見えた。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 2 amazon
月はしだいにむこうの大木の梢に移ってゆき、そこでしばらくためらっているように見えた。
大岡 昇平 / 俘虜記 amazon
(昼の月)ビルの上にうす青い空があり、白い透き通った半月形の月が浮かんでいた。
向田邦子 / 大根の月「思い出トランプ(新潮文庫)」に収録 amazon
するどく傾(かし)いだ焔のような月の面
瀧井 孝作 / 無限抱擁 amazon
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「空・中空」カテゴリからランダム5
漆黒の空に錐で穴をあけたようなやけに鮮明な月が、私たちを見下ろしていた。
村田 沙耶香「しろいろの街の、その骨の体温の」に収録 amazon
墨のような黒雲が一面にあたりをとざす
芥川龍之介 / 杜子春
空気は重く、蒸発した雨が毛穴の奥にまでまとわりつくようで、皮膚から垂れ落ちる水分が自分の汗なのか雨粒なのか、もはや判別がつかない。
羽田 圭介「ミート・ザ・ビート (文春文庫)」に収録 amazon
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