日本語表現インフォ > 暮らしの表現 > 健康・体調・病気 > 精神病
精神病の表現・描写・類語
精神病者から見ると自分以外の存在は、人間でも、動物でも、風景でも、天地万象の一切合財がみんな影法師か、又は動く絵ぐらいにしか見えない場合がある。たとえば赤い絵具が欲しいという慾望が起れば、その精神病者は他人の頭をタタキ割るのも、赤いアルコール入りの寒暖計をブチ壊すのも同じ事に心得ているのだからね。その真実の目的が、赤い液体を手に入れて赤い花の絵を描きたいためであったと解れば、決して殺人狂なぞいう名前はつけられないであろう。
夢野久作 / ドグラ・マグラ 青空文庫
結婚してから四年間、彼女の生活は内面的に、夫との組み打ちの連続であった。ひどい機関の音ばかりする工場に四年働いた人間は、きっと鼓膜が変になって、普通の物音など聞えないようになってしまうだろう。伸子の精神状態も全く危機にあった。次第に緊張し張り切って来る心の苦痛で彼女は一種の偏執狂 になりかけであった。
宮本百合子 / 伸子 青空文庫
常人としては破綻した顔をしていた。
雫井 脩介「火の粉 (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
あと 5 個の表現が登録されています
ログインして全部見る
ログインして全部見る
同じカテゴリの表現一覧
健康・体調・病気 の表現の一覧
暮らしの表現 大カテゴリ