夜の霧に蝕まれはじめた葉の色。
宮本百合子 / 伸子 ページ位置:76% 作品を確認(青空文庫)
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霧・かすみ・もや
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前後の文章を含んだ引用
......ころへ、緑っぽく細かい黴 が、蛾の翅 の粉を撒いたように滲みついていた。その背景の地色の前に黄がかった二輪の薔薇は、鮮かに美しく見えた。艶ある濃い臙脂 の繊 い枝の線、夜の霧に蝕まれはじめた葉の色。荒廃した黒い羽目に、これより優れた飾りはなく、秋の薔薇の花にとってもこの調和に優る周囲はないと、思われた。 伸子は、快感をもって一隅の詩情を味った。世の中の美し......
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霧にぬれ透 った登山服や毛布なども並みたいていの重さではありません。
芥川龍之介 / 河童
霧とまではいえない九月の朝の、煙 った空気
有島武郎 / 或る女
風が霧の流れを幕のようにはためかせて傍若無人に吹きちぎっていく。
石坂 洋次郎 / 山のかなたに amazon
深くなった乳色の靄が、木立に絡まるように漂う
原田 康子 / 挽歌 amazon
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日本アルプスの谿々(たにだに)の雪は、ここから白壁を望むように見える。
島崎 藤村 / 千曲川のスケッチ amazon
車軸を流すような大雨
太宰治 / 走れメロス
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