あたりはまだ明るかったので、それは何の変哲もない黒い水辺の虫にしか見えなかった《…略…》蛍はなんだか眠そうな顔をしていた。
村上春樹 / ノルウェイの森 作品を確認(amazon)
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蛍
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単語の意味
蛍(ほたる)
蛍・・・1.ホタル科の昆虫の総称。水辺にすむ小形の甲虫。夜、腹の端から青白い光を出す。その光は古来より好まれ、死者の魂ともいわれた。夏虫(なつむし)。
2.源氏物語の巻名。
2.源氏物語の巻名。
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蛍の表現・描写・類語(夏のカテゴリ)の一覧 ランダム5
(蛍の群れ)雪みたいに、螢が飛ぶ
宮本 輝 / 螢川「螢川・泥の河(新潮文庫)」に収録 amazon
螢の大群は、 滝壺 の底に 寂寞 と舞う微生物の 屍 のように、はかりしれない沈黙と死臭を 孕んで光の 澱 と化し、天空へ天空へと光彩をぼかしながら冷たい火の粉状になって舞いあがっていた。
宮本 輝 / 螢川「螢川・泥の河(新潮文庫)」に収録 amazon
この切ない、 哀しいばかりに蒼く 瞬いている光の塊
宮本 輝 / 螢川「螢川・泥の河(新潮文庫)」に収録 amazon
一陣の強風が木立を揺り動かし、川辺に沈澱していた 螢 たちをまきあげた。光は波しぶきのように二人に降り注いだ。
宮本 輝 / 螢川「螢川・泥の河(新潮文庫)」に収録 amazon
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「夏」カテゴリからランダム5
初夏の匂いが、街じゅうにあふれていた。 穏やかで力があって、苦しいほどの草の匂いがする。
吉本 ばなな / とかげ「とかげ (新潮文庫)」に収録 amazon
夥しい光の粒が 一斉 にまとわりついて、それが胸元やスカートの裾から中に押し寄せてくるのだった。白い 肌 が光りながらぼっと浮かびあがった。《…略…》螢の大群はざあざあと音をたてて波打った。それが螢なのかせせらぎの音なのか竜夫にはもう区別がつかなかった。このどこから雲集してきたのか見当もつかない何万何十万もの螢たちは、じつはいま英子の体の奥深くから絶え間なく生み出されているもののように竜夫には思われてくるのだった。
宮本 輝 / 螢川「螢川・泥の河(新潮文庫)」に収録 amazon
一雨ごとに、芒 はのびて、もう武蔵野は、夏めいてくる。
吉川英治 / 野槌の百
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