大きなカラスが出し抜けにベランダにやってきて、手すりにとまり、よく通る声で何度か短く鳴いた。青豆とカラスはしばらくのあいだ、ガラス窓越しにお互いの様子を観察していた。カラスは顔の横についた大きなきらきらした目を動かしながら、部屋の中の青豆の動きをうかがっていた。それからカラスはやってきたときと同じように、唐突に羽を広げてどこかに飛び立っていった。見るべきものは見たという感じで。《…略…》そのカラスがリトル・ピープルのまわしものでないことを祈った。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 2 作品を確認(amazon)
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胸騒ぎ・嫌な予感
烏(カラス)
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単語の意味
鴉・烏(からす)
暫く・姑く・須臾(しばらく)
鴉・烏・・・カラス科カラス属およびそれに近縁の鳥の総称。人家近くの森に住む、雑食性の利口な鳥。雌雄ともに全身、光沢のある黒。日本では主に嘴太烏(ハシブトガラス)と嘴細烏(ハシボソガラス)の2種。古来より人との関わりが深く、熊野の神の使いとして知られ、また、その姿や鳴き声は不吉の象徴とされるなど、信仰や迷信が多い。
暫く・姑く・須臾・・・1.長いと感じるほどではないが、すぐともいえないほどの時間。ちょっとの間。一時的。
2.ちょっと待った!
2.ちょっと待った!
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胸騒ぎ・嫌な予感の表現・描写・類語(恐怖・不安のカテゴリ)の一覧 ランダム5
まるで嵐が来るような雲行きの怪しさを感じている。
雫井 脩介「火の粉 (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
(不吉な響き)リトル・ピープルという言葉には不吉な響きが含まれていた。青豆の耳はその微かな響きを、遠くの雷鳴を聞くときのように感知することができた。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 1 amazon
不吉な悪魔の仕業でもあるように嫌な予感にゆすぶられる
檀 一雄 / リツ子その愛・その死 amazon
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烏(カラス)の表現・描写・類語(鳥類のカテゴリ)の一覧 ランダム5
烏 の群れが 嗄れた声をあげて舞っています。
遠藤周作「沈黙(新潮文庫)」に収録 amazon
干潟のほの白い砂の上に、黒豆を零したようなのは、烏の群が下りているのであろうか。
鈴木 三重吉 / 千鳥 amazon
樹には大きな烏たちが羽ばたきながら 嗄れた声で鳴き、その声と蛙の声とが一緒になって、暗い合唱をくりひろげていた。
遠藤周作「沈黙(新潮文庫)」に収録 amazon
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「恐怖・不安」カテゴリからランダム5
顔は透き通るほど青ざめていた。
有島武郎 / 或る女
「鳥類」カテゴリからランダム5
鳥がちょんちょんと鳴いて
宮沢賢治 / ひかりの素足
(見上げると)天高く舞う 鳶 の泰然たる円運動があった。
宮本 輝 / 螢川「螢川・泥の河(新潮文庫)」に収録 amazon
雉(きじ)が鋭い鳴き声を残して、矢のように麓へ消える
石川 達三 / 花のない季節 amazon
盛大に、夏の山鳥が鳴いている。
新海 誠「小説 君の名は。 (角川文庫)」に収録 amazon
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