TOP > 人物表現 > 思考・頭の中の状態 > 想像する・イメージする
枕に頭をつけて眼を瞑った。思考は初め断片的であったが、それが連なり、絶ち切れ、また繫がっては伸びた。俺はその細工に陶酔した。
松本 清張 / 真贋の森「松本清張ジャンル別作品集(3) 美術ミステリ (双葉文庫)」に収録 ページ位置:38% 作品を確認(amazon)
この表現が分類されたカテゴリ
想像する・イメージする
推理
連想する
しおりに登録する
前後の文章を含んだ引用
......いう分野の盲点である。―― 俺は、マッチをすりかけて、不意に手をとめた。「盲点か」ひとりで呟いた。頭の中に閃いた或る思考が無意識にそれを吐かせたのである。 俺は枕に頭をつけて眼を瞑った。思考は初め断片的であったが、それが連なり、絶ち切れ、また繫がっては伸びた。俺はその細工に陶酔した。どういうものか、雨に濡れて重く垂れ下っている白い干しものと、紫色の歯齦をした女の居る濁った部屋とが関りなく眼に泛んだ。だが、どこかでそれは、この思考に耽溺する陰......
単語の意味
陶酔(とうすい)
陶酔・・・気持ちよく酔うこと。心を奪われてうっとりと気持ちのいいこと。
ここに意味を表示
想像する・イメージするの表現・描写・類語(思考・頭の中の状態のカテゴリ)の一覧 ランダム5
構想は、宛(あたか)も奔流の様に、実に鮮やかに心のなかに姿を現します。
小林 秀雄 / モオツァルト amazon
埒もない空想が、空に浮ぶ白い雲のように去来する
福永 武彦 / 風のかたみ amazon
豊穣な空想に孤独な心を満たす
円地 文子 / 朱(あけ)を奪うもの amazon
このカテゴリを全部見る
推理の表現・描写・類語(思考・頭の中の状態のカテゴリ)の一覧 ランダム5
(仮説を立てるがうまくいかない)彼の思考はそこで行く手を阻まれ、つながれてきた仮説の糸は鋭い剃刀によってあっけなく断ち切られる。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 3 amazon
このカテゴリを全部見る
連想するの表現・描写・類語(記憶のカテゴリ)の一覧 ランダム5
林芙美子 / 新版 放浪記
このカテゴリを全部見る
「思考・頭の中の状態」カテゴリからランダム5
判断の針を狂わされたように混乱した。
中山 義秀 / 醜の花「厚物咲・碑 (1949年) (春陽堂文庫〈第54〉)」に収録 amazon
事件を巡るいくつかの不審点は、この推理によって氷解するように見える。
翔田 寛「真犯人 (小学館文庫)」に収録 amazon
「記憶」カテゴリからランダム5
(認知症患者)自らの内側で徐々に広がっていく空白と共存することを余儀なくされている。今はまだ空白と記憶がせめぎあっている。しかしやがては空白が、本人がそれを望もうと望むまいと、残されている記憶を完全に呑み込んでしまうことだろう。それは時間の問題でしかない。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 2 amazon
その種の思い出に限って執念深く彼女の心にへばり付こうとする
山田詠美「新装版 ハーレムワールド (講談社文庫)」に収録 amazon
幼児のころの記憶のように、そこだけ鮮明だった。
吉本 ばなな「N・P (角川文庫)」に収録 amazon
同じカテゴリの表現一覧
思考・頭の中の状態 の表現の一覧
記憶 の表現の一覧
人物表現 大カテゴリ