胸に穴をあけられたような寂しい気持ち

寂しさに耐え切れない

孤独感が耐え難いほどの襲う

淋しさや、孤独が、軀の芯にまで喰い込んで来た。

さびしさを、負うている傷の痛みよりも、より鋭く味わわされた。

周りの人の楽しそうなざわめきが遠くにあるように聞こえる

極地の島に一人で取り残されてしまったような激しい孤独

だれも気もつかず注意も払わない地球のすみっこ

たった一人で崖の先端に立つような孤独

ただいっしょに部屋にいただけなのに、明らかに流れる時間の早さがいまと以前では変わっている。以前は二人でぽりぽりと食べつくしてきた時間を、まるで急に僕一人で全部食べなきゃいけなくなったみたいに、もてあましている。

不思議な悲しみとわびしさに引き入れられる

世界のはしっこに置き去りにされたような気分

（開発が途中で止まった街）あれ以来、どこからも工事の音はしなくなった。 　駅前では、相変わらずマンションと同時に完成したクリーンセンターの白い時計がこちらを見つめている。私はあの時計が嫌いだった。私たちの頭上で時を刻んでいるはずなのに、あれができてから、私たちの時間が止まった気がする。《…略…》遠くに時計台が見えた。 　この街の時間を吸い取っているようなあの時計台は、この白い街で一際真っ白な建築物で、こちらを見つめているように見える。

時間で云えばほんの一分か二分の待ち合せであった。が、一番人目を牽（ひ）きたい貴婦人は最後に、皆揃った舞踏場へ姿を現す通り、その場の気分に、何か際立つものが生じた。

葬式のかえりのように、さびしくて悲しかった。