ミラーを見つめた。後続車のヘッドライトは、藍色の夜にぼんやりと浮かんでいて、近づいてくる。
伊坂 幸太郎「陽気なギャングが地球を回す (祥伝社文庫)」に収録 ページ位置:40% 作品を確認(amazon)
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車のヘッドライト
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前後の文章を含んだ引用
......か」成瀬の声は落ち着いていた。 車を左へ寄せる。ウィンカーを出して、路肩に近づく。速度を落とす。完全に停車させた。 雪子は車のライトを消して、そうして黙ったままミラーを見つめた。後続車のヘッドライトは、藍色の夜にぼんやりと浮かんでいて、近づいてくる。「雪子は眼を逸らしていろ。相手と顔が合うかもしれない」 言われたとおり、窓から顔を逸らした。いったい何者なのだ、と不安になる。 窓の向こう側を車が通り過ぎていく......
単語の意味
藍色(あいいろ)
藍色・・・くすんだ青色。黒色がかった青色。藍(植物)で染めたような色で、ジーパンのような青。インディゴ。
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車のヘッドライトの表現・描写・類語(光と影のカテゴリ)の一覧 ランダム5
前を走る自動車のテールランプがたった今見た透明魚の眼のように赤くにじんで、闇に長く尾を引く。
阿刀田 高 / 透明魚「ナポレオン狂 (講談社文庫)」に収録 amazon
頭上と横とを流れるヘッドライトの光は靄のやうだったり稲妻のやうだつたりする。
丸谷 才一 / 初旅「横しぐれ (講談社文芸文庫)」に収録 amazon
闇の 涯 に流星のようなヘッドライトが行き来している。
浅田次郎 / ラブ・レター「鉄道員(ぽっぽや) (集英社文庫)」に収録 amazon
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「光と影」カテゴリからランダム5
赤い鳥居が闇の中で夢のように暗く見えた。
吉本ばなな / サンクチュアリ「うたかた/サンクチュアリ」に収録 amazon
頭上と横とを流れるヘッドライトの光は靄のやうだったり稲妻のやうだつたりする。
丸谷 才一 / 初旅「横しぐれ (講談社文芸文庫)」に収録 amazon
メタルの部分に反射した光が傍のブロック塀に白い筋を描き、コンクリート道路にもクッキリとした影が浮き出ている
泉麻人 / ヴァンサンカン amazon
「乗り物」カテゴリからランダム5
英国の軍艦が 烟 突から僅かばかりの烟をたてながら海底に根を張っているかのようにどっしりと海面に置かれてあった。
直哉, 志賀「暗夜行路 (新潮文庫)」に収録 amazon
年老いた女の吐息に似た音をたてて走る車
大庭 みな子 / 三匹の蟹 amazon
音が近づいてくるにつれタイヤと路面の摩擦音がどんどん小さくなり、減速しているのがわかり
羽田 圭介「ミート・ザ・ビート (文春文庫)」に収録 amazon
風がマストに当ると不吉に鳴った。
小林多喜二 / 蟹工船
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