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さっきまで降っていたらしく路面は濡れたままで、タイヤの溝がすくいあげた泥水がフェンダーに勢いよく当たり続ける。
羽田 圭介「ミート・ザ・ビート (文春文庫)」に収録 ページ位置：21% 作品を確認（amazon）
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自転車
雨上がり・晴れ間がのぞく
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......っと時間が節約できるのかもしれない。バイトを始めてから、勉強に充てる時間が減っているのを彼は自覚していた。 午後の講義を受講し終えた彼は自転車で現場へと急いだ。さっきまで降っていたらしく路面は濡れたままで、タイヤの溝がすくいあげた泥水がフェンダーに勢いよく当たり続ける。距離にして約一七キロを、北北西へ。白線は塗り直されたばかりで綺麗だが路側帯の幅そのものは狭く、歩行者のことなどなにも考えていない塗装工事だということは明白だった......
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