(ちりめんの柄)大小無数の疋田 の鹿の子絞りで埋めてあるだけに、疋田の粒と粒とは、配し合い消し合い、衝 ち合って、量感のヴァイヴレーションを起している。
岡本かの子 / 雛妓 ページ位置:82% 作品を確認(青空文庫)
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デザイン・模様
布・生地
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前後の文章を含んだ引用
......めんのごりごりした地へもって来て、中身の肉体を圧倒するほど沢瀉 とかんぜ水が墨と代赭 の二色で屈強に描かれている。そしてよく見ると、それ等の模様は描くというよりは、大小無数の疋田 の鹿の子絞りで埋めてあるだけに、疋田の粒と粒とは、配し合い消し合い、衝 ち合って、量感のヴァイヴレーションを起している。この夏の水草と、渦巻く流れとを自然以上に生々としたものに盛り上らせている。 あだかも、その空に飛ぶように見せて、銀地に墨くろぐろと四五ひきの蜻蛉 が帯の模様によっ......
単語の意味
鹿(しか)
鹿・・・シカ科の哺乳動物の総称。足は細長く華奢な感じで、雄は枝分かれした大きな角を持つ。成長したものでは40cmほどで、毎年生えかわる。草食。山林に住む。
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模様のようなものを描いた。形の定まらない奇妙な図形だった。
村上春樹 / ねじまき鳥と火曜日の女たち「パン屋再襲撃 (文春文庫)」に収録 amazon
(陶器のデザイン)艶やかな生地で、パステル・カラーのものが夫の作品だ。色はところどころで濃くなったり淡くなったりして、風や水が流れるような微妙な陰影を描き出していた。柄のついたものはひとつもなかった。色の移り変わりがそのまま模様になっている。
村上 春樹 / 色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年 amazon
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(ぼろ布)長い昆布のようなぼろくず
野間 宏 / 真空地帯 amazon
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じゃがいもと玉ねぎが、ヒダになってかさなっている。
石井 好子「巴里の空の下オムレツのにおいは流れる (河出文庫)」に収録 amazon
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古い壁にビラが白々と死の装束に似て貼りついている
武田 泰淳 / 風媒花 amazon
(小説を書く)戦国時代を背景にした小説……ことに、戦場のシーンを書きつづけているときなどは、威張り返って荒々しい挙動をするそうだし、また〔鬼平氏〕が酒なぞをのんでいるところを書いているときは、二匹の飼猫にもやさしいそうだ。 前にものべたことだが、それだけに一つの仕事から別の仕事へ移るときの気分転換にはまったく苦労する。 理論的に人物を描くことが不得手な私は、できぬまでも、それぞれの人物になりきろうとする。その気分が醸成されるまでは、どうしてもペンがうごいてくれぬ。
池波 正太郎「食卓の情景 (新潮文庫)」に収録 amazon
女の肉感をそそり立てるようなにおいを部屋 じゅうにまき散らす葉巻をふかし
有島武郎 / 或る女
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