山の稜線を隠すミルク色の霧
綿矢 りさ / 亜美ちゃんは美人「かわいそうだね? (文春文庫)」に収録 ページ位置:36% 作品を確認(amazon)
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霧・かすみ・もや
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前後の文章を含んだ引用
......「なにも、見えん。でもこれはこれで、いいな」「ええ、幽玄ですね」 さかきちゃんは今この瞬間を忘れないようかみしめたかったが、うまくつかみきれず、もどかしかった。山の稜線を隠すミルク色の霧が、彼女の気持ちを代弁していた。 ふいに長野さんが手を差しだしてきて、手をつなぐのかと思って握ったら、そのまま強く引き寄せられてキスされた。 きっとこういう瞬間......
単語の意味
稜線(りょうせん)
稜線・・・連なった山を遠くから見たときの、ある山の頂上と隣の山の頂上を結ぶ、一番高い部分の線。尾根(おね)の線。
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霧が剥ぐように消える
本庄 陸男 / 石狩川〈上〉 amazon
神去山の山頂から、白い雲がいっせいになだれ落ちていた。いや、雲じゃなく霧だ。すごく濃い霧が波のように斜面を下り、瞬く間に集落まで押し寄せていく。
三浦 しをん「神去なあなあ日常 (徳間文庫)」に収録 amazon
乳白色の闇が海辺をゆっくりと流れる。
村上 春樹「1973年のピンボール (講談社文庫)」に収録 amazon
動いている人が影のように見え、次第に霧に呑まれて薄らいでいく
大仏 次郎 / 雪崩 (1953年) amazon
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有島武郎 / 生まれいずる悩み
暗い野に、遠く赤い火が見えた。何の 灯 であろう。雨の密度の変移に従って、暗く明るくまたたき、または深い水底に沈んだように、 暈 だけになった。
大岡 昇平「野火(新潮文庫)」に収録 amazon
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