TOP > 人物表現 > 思考・頭の中の状態 > 理解する・納得する・腑に落ちる
都久井は、えもいえぬ陶酔感に陥っていた。美事な欺瞞を成し遂げた相手への憧憬といったらその感情は当るだろうか。精緻な陥穽にすっぽりはまりこんだときの爽やかな意識でもあった。
松本 清張 / 美の虚像「松本清張ジャンル別作品集(3) 美術ミステリ (双葉文庫)」に収録 ページ位置：84% 作品を確認（amazon）
この表現が分類されたカテゴリ
理解する・納得する・腑に落ちる
しおりに登録する
前後の文章を含んだ引用
......これくらいに変えてこれだけ描ける作家というのは、現代の一流写実派画家の中にもそうざらにいるものではない」 全部を見終ったときは二時間はたっぷりとかかっていた。 都久井は、えもいえぬ陶酔感に陥っていた。美事な欺瞞を成し遂げた相手への憧憬といったらその感情は当るだろうか。精緻な陥穽にすっぽりはまりこんだときの爽やかな意識でもあった。「ところで、君には、この偽作者が誰か見当がついてるかね？」 都久井は梅林に訊いた。「これだけの絵をかいた人物だもの、ぼくには、その推察がついている」 梅林章伍は......
単語の意味
陶酔（とうすい）
憧憬（どうけい・しょうけい）
精緻（せいち）
陶酔・・・気持ちよく酔うこと。心を奪われてうっとりと気持ちのいいこと。
憧憬・・・憧れ。能力や雰囲気などを高く評価して、自分もああなりたいと思う気持ち。
精緻・・・非常に細かいところまで、よくできているさま。非常に綿密で欠点や見落としなど無さそうなさま。
ここに意味を表示
理解する・納得する・腑に落ちるの表現・描写・類語（思考・頭の中の状態のカテゴリ）の一覧 ランダム５
このカテゴリを全部見る
「思考・頭の中の状態」カテゴリからランダム５
いったいどこから浮かんで来た空想かさっぱり見当のつかない
梶井基次郎 / 桜の樹の下には
若い頭脳が、機械のように正確に動作する
柴田 翔 / されどわれらが日々― amazon
眼前に黒い幕がおりるように見えなくなる
萩原 葉子 / 蕁麻の家 amazon
同じカテゴリの表現一覧
思考・頭の中の状態 の表現の一覧
人物表現 大カテゴリ
