欄干にとまった鴉たちは前衛劇に出てくる傍観者のように見えた。
村上 春樹「羊をめぐる冒険」に収録 ページ位置:74% 作品を確認(amazon)
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烏(カラス)
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前後の文章を含んだ引用
......トクトクトクというエンジン音が風に乗っていつまでも小さく聞こえていた。三羽の鴉が紅葉した白樺林のあいだから現われ、川の上でぐるりと輪を描いてから欄干にとまった。欄干にとまった鴉たちは前衛劇に出てくる傍観者のように見えた。しかしそのような役まわりにも飽きると彼らは順番に欄干を離れ、川の上流に向けて飛び去っていった。 八時ちょうどに緬羊管理人の古いジープが旅館の前に停った。ジープは......
単語の意味
欄干・闌干(らんかん)
鴉・烏(からす)
欄干・闌干・・・人が落ちるのを防ぐための手すり。
鴉・烏・・・カラス科カラス属およびそれに近縁の鳥の総称。人家近くの森に住む、雑食性の利口な鳥。雌雄ともに全身、光沢のある黒。日本では主に嘴太烏(ハシブトガラス)と嘴細烏(ハシボソガラス)の2種。古来より人との関わりが深く、熊野の神の使いとして知られ、また、その姿や鳴き声は不吉の象徴とされるなど、信仰や迷信が多い。
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烏(カラス)の表現・描写・類語(鳥類のカテゴリ)の一覧 ランダム5
けうとい羽色を持った烏
有島武郎 / 生まれいずる悩み
烏の一団は 執拗 に頭上で円を描きながら舞っていました。その暗い押しつけるような声は、立ちどまるとやみ、歩きだすと追いかけてきます。
遠藤周作「沈黙(新潮文庫)」に収録 amazon
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小鳥は、昨夜の嵐で布の裂けた帆桁に黒点のように羽をおろしました。
遠藤周作「沈黙(新潮文庫)」に収録 amazon
雉子が、長い裾をひくような柔らかい格好で飛ぶ
佐多 稲子 / 素足の娘 amazon
フルートの高音部のような音色で啼く鳥
村上 春樹 / ダンス・ダンス・ダンス(上) amazon
暮れなずむ空の光の中に一羽の大きな鳥が黒い弧線を描きながら向うの丘に飛んでいきました。
遠藤周作「沈黙(新潮文庫)」に収録 amazon
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