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制服と蒲団だけが残されてあるきりで、あとはもう、質草になりそうなものの一つも無い荒涼たる部屋
太宰治 / 人間失格 ページ位置:47% 作品を確認(青空文庫)
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生活感のない、モノの(少)ない部屋
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前後の文章を含んだ引用
......。 「あなた、払うて置いて」 自分は立って、袂 からがま口を出し、ひらくと、銅銭が三枚、羞恥 よりも凄惨 の思いに襲われ、たちまち脳裡 に浮ぶものは、仙遊館の自分の部屋、制服と蒲団だけが残されてあるきりで、あとはもう、質草になりそうなものの一つも無い荒涼たる部屋、他には自分のいま着て歩いている絣の着物と、マント、これが自分の現実なのだ、生きて行けない、とはっきり思い知りました。 自分がまごついているので、女も立って、......
単語の意味
荒涼・荒寥(こうりょう)
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キッチンはさっぱりと片付いていた。調理道具は決まった場所に全部収まっていたし、ステンレスの調理台は乾ききっていたし、食器洗浄器の中は空だった。システムキッチンのショールームのように、よそよそしく味気なかった。
小川 洋子「妊娠カレンダー (文春文庫)」に収録 amazon
(モデルルーム)家はこんなに綺麗じゃない。広くもない。物がいろいろあって、住むとなると、なかなかこんな風にはすっきりとはいかない
山田太一「飛ぶ夢をしばらく見ない」に収録 amazon
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(ハワイの家)小さいすてきなおうちの玄関に立つと、プルメリアの花の香りでめまいがした。庭にはたくさんのブーゲンビリアがあって、色とりどりにわさわさと咲いていた。
よしもとばなな / まぼろしハワイ「まぼろしハワイ」に収録 amazon
寓居は八畳に次の間が北向きの長四畳、それに玄関、女中部屋、という小さな 家 だった。
直哉, 志賀「暗夜行路 (新潮文庫)」に収録 amazon
不意に、部屋の空気をかき混ぜるようにトイレのドアが開いて、誰かが出てくる気配がした。《…略…》空気の波がふわりとあたしの上を撫でていく。
朝井 リョウ / ひーちゃんは線香花火「もういちど生まれる (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
段を踏みしめる度に、階段の上の橙色の電球は、線香花火の火のように細かく震える。
綿矢 りさ / 蹴りたい背中 amazon
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