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扉(門・窓)がひらく・閉じるの表現・描写・類語
(銀座のある定食屋の)戸は自動ではなく、薄緑色のペンキを塗った木製の引き戸で、これが重くてしぶくて、うんと力を入れるとようやくゴトゴト音を立てて開く。”なかなか開かない引き戸”というのもなんだか懐かしくて嬉しい。
東海林さだお / コロッケの丸かじり amazon
部屋の中の空気がなくなりでもしたように、急いで扉を開く
吉行 淳之介 / 砂の上の植物群 amazon
ことりとも音を立てずに細くドアを開ける
小川 洋子 / 余白の愛 amazon
鍵のあく音が、氷が寒夜にひび割れたように響きわたる
志茂田 景樹 / 月光の大死角 amazon
(蝶が外に出て行かないように)細く扉を開け、素早く外に出て、また扉を閉めた。社交ダンスのステップを踏んでいるように。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 1 amazon
自動扉が、鼻息を吐き出すかのような音とともに開いた。
伊坂 幸太郎 / マリアビートル amazon
しばらくすると窓がするすると開いた。人の口のようにかっきりと穴があいた。
平出 修 / 逆徒 amazon
(秘密の部屋を去る)彼女が部屋のドアを閉めると、とても大きな音が鳴った。ひと組の夫婦がささやかに抱えつづけた秘密を、封印するぐらいの重い響きがあった。
伊坂 幸太郎 / オーデュボンの祈り amazon
妙に丁寧に、旅館の女将がふすまを閉めるときみたいに両手で窓を閉めた。
綿矢 りさ / 勝手にふるえてろ amazon
何かに引っ掛かるようにがた、がた、と扉が開いた。(略)扉はいつもそんなふうにぎこちなく開くのだった。
小川 洋子 / ドミトリイ「妊娠カレンダー (文春文庫)」に収録 amazon
重い扉を未練気もなくピッタリと閉めた。
夢野久作 / ドグラ・マグラ 青空文庫
(部屋から出ていった人の)その後から追いかけるようにギイギイと閉まって行った扉 が、忽ちバラバラに壊れたかと思うほど烈しい音を立てると、室中の硝子 窓が向うの隅まで一斉に共鳴して、ドット大笑いをするかのように震動し、鳴動し、戦慄した。
夢野久作 / ドグラ・マグラ 青空文庫
居間と廊下の間のドアは開け放しになっていて
伊坂 幸太郎「陽気なギャングが地球を回す (祥伝社文庫)」に収録 amazon
鍵は鍵穴に不自然なくらいぴったりとなじんでいた。鍵は僕の手の中でくるりと回転し、かちりという気持の良い音を立てて錠が外れた。
村上 春樹「羊をめぐる冒険」に収録 amazon
後手でドアを閉めると風の音がぴたりと消えた。
村上 春樹「羊をめぐる冒険」に収録 amazon
風呂場のドアを開けた。木枠にガラスをはめ込んだドアが、まるで薄いトタンのように大きくしなり、大げさな音を立てる。(略)再び閉められたドアが、割れそうなほどガシャンと音を立てた。
吉田修一「悪人」に収録 amazon
立て付けの悪い玄関がガラガラと音を立て、家全体が軋むようにドアが閉まる。
吉田修一「悪人」に収録 amazon
噛み合わせが悪いのか、祐一が何度か鍵を回してやっとドアが開く。
吉田修一「悪人」に収録 amazon
いつも通り鍵を右に廻した。カチリ、変な抵抗が手先に伝わり、扉は開かない。伸子は屈んで鍵穴を見た。ついで念のため把手を廻して見た。戸は難なく内側に開いた。錠は掛っていなかったのだ。
宮本百合子 / 伸子 青空文庫
不意に、部屋の空気をかき混ぜるようにトイレのドアが開いて、誰かが出てくる気配がした。(略)空気の波がふわりとあたしの上を撫でていく。
朝井 リョウ / ひーちゃんは線香花火「もういちど生まれる (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
からからから、と乾いた音がした。ひーちゃんが窓を開けたみたいだ。夜中のうちにこぼした愚痴を浄化してくれそうな風が、部屋中をこっそりと這う。
朝井 リョウ / ひーちゃんは線香花火「もういちど生まれる (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
軽やかに鍵を差し込む。がちゃり、と、金属の内臓をえぐるような音
朝井 リョウ / ひーちゃんは線香花火「もういちど生まれる (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
入口は真黒く閉 っていて
岡本かの子 / 巴里祭 青空文庫
水門はきりっと閉った。
岡本かの子 / 渾沌未分 青空文庫
(錠を開く)ガチッと、掌のなかで、錠の角 が刎 ねた。
吉川英治 / 雲霧閻魔帳 青空文庫
錠前を打ちこわして貫 の木を抜いた。
森鴎外 / 阿部一族 青空文庫
梶井基次郎 / ある崖上の感情 青空文庫
私は窓硝子 を開けて夜霧をいっぱい吸った。
林芙美子 / 新版 放浪記 青空文庫
まるで永遠に閉ざされたようにぴったりと閉まり
吉本 ばなな / 新婚さん「とかげ (新潮文庫)」に収録 amazon
(自動ドアが開いて)その一瞬耳に飛び込んできたはずの真夏の雑踏の音
吉本 ばなな「N・P (角川文庫)」に収録 amazon
(マンション最上階の屋上につながる扉)ぎいっとドアを開けた。シンナーの匂いや、古くこもった空気の中から、いっぺんに夜の新鮮な大気の中におどりでるような感じだった。
吉本 ばなな「N・P (角川文庫)」に収録 amazon
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閉ざされた扉(門・窓)隙間風・風が室内に入る門・扉・窓・戸 |
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