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風なんて本当にひとかけらも吹いてはいなかった
村上春樹 / ローマ帝国の崩壊・一八八一年のインディアン蜂起・ ヒットラーのポーランド侵入・そして強風世界「パン屋再襲撃 (文春文庫)」に収録 ページ位置:12% 作品を確認(amazon)
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前後の文章を含んだ引用
......ことについて僕は溶鉱炉のふたにも似た頑丈で確実な記憶を有している。そのとき僕は「こんな風のない日には洗濯ものをピンチでとめる必要もないな」とふと思ったからだ。 風なんて本当にひとかけらも吹いてはいなかったのだ。 僕は洗濯ものを手際よくたたんで積みあげてから、アパートの窓をぜんぶきちんと閉めてまわった。窓をぜんぶ閉めてしまうと、風の音はもう殆んど聞こえなくなった。......
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むきだしのふくらはぎを洗うように、足元で風が渦巻いた。
朝井 リョウ「武道館 (文春文庫)」に収録 amazon
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