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客席に人が座りはじめる。それぞれが秋の匂いを劇場に運んでくる。歓談の隙間から静かに音楽が聴こえている。人が増えざわめきは徐々に増していく。音楽も音量を上げていき、客席の照明が緩やかに絞られる。まもなく幕が開く。
又吉直樹「劇場(新潮文庫)」に収録 ページ位置:18% 作品を確認(amazon)
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......がかかった。自分はなんのために演劇をやっているのか。演劇である必要性はあるのかという問いから考え出すことも頻繁にあった。そして、歩きながら舞台の初日を想像する。客席に人が座りはじめる。それぞれが秋の匂いを劇場に運んでくる。歓談の隙間から静かに音楽が聴こえている。人が増えざわめきは徐々に増していく。音楽も音量を上げていき、客席の照明が緩やかに絞られる。まもなく幕が開く。心拍数が上がる。なにができて、なにができないのか。役者の人数は少ない方がいい。ほとんど装飾のない質素な舞台上に一人の女がいる。倦んだ哀愁を引きずった、生身の人間......
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(能)謡(うたい)というものは読んでわかるところを、やにむずかしい節をつけて、わざとわからなくする術だろう。
夏目 漱石 / 坊っちゃん amazon
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(暗い部屋でテレビを見る)映像の光に合わせて、彼女の横顔は様々な色に変化していた。
又吉直樹「劇場(新潮文庫)」に収録 amazon
りこさんが木枠の金具を締め上げ、針を通してゆくと、誰にも真似できない世界がそこに浮かび上がってきた。ワンピースの胸元に咲くお花畑も、ロンパースのお尻で向かい合うリスも、上から付け足したのではなく、布の向こうに隠れていたものたちが何かの拍子にこちら側へ現れ出てきたという自然さをまとっていた。
小川 洋子 / 亡き王女のための刺繡「口笛の上手な白雪姫」に収録 amazon
終演後、ロビーは騒然とし、その相乗効果で、何か大変な名演を聴いた気がしていた人々は、やっぱりそうだったのかと自信を持った。
平野 啓一郎「マチネの終わりに (文春文庫)」に収録 amazon
悪くない映画だったが途中で何度も考え事をしたので映画の筋がずたずたに分断されてしまった。《…略…》映画のエンドマークが出ると、僕は殆んど筋のわからないまま席を立って外に出た。
村上 春樹 / ダンス・ダンス・ダンス(下) amazon
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