（女は）彼の股間に手をやり無邪気に微笑む

すすり泣きに似た吐息が喉の奥から上がってくる。

ネットリと執拗を極めている愛撫

サユリを慎重に愛し始めた。彼は、おくれ毛を舌でどかしながら首筋に口を付けた。サユリの吐く息が暖まって来たのを感じると、我慢ができなくなって、彼女を抱く腕に力を込めた。

父親は電話でもかけるように母親の生殖器に口をつけ

急に、校舎の温度が上がり、耳の後ろが熱で軋んだ。 　どうして、この未熟な身体に、こんなにコントロールできない熱が宿ってしまったのだろう。

彼女の瞳が長く湾曲した睫毛の間から肉欲を訴えて光った。

彼女を抱きたくて気持を高ぶらせていた

ほんの唇の一触れで新しい 酩酊 となり、カッと全身の血を燃え立たせた。

身内を吹きすぎる欲情

息を一ぱい口の中に吹き込み、千子の体を護謨（ごむ）風船のようにぱんと一度に破裂させてみたくなる

体全体が肺になったかの如く、大きく肩で息をする。

意識的に大きく息を吸う。

鯉のような口の開き方で大きく深呼吸する

深い海底からようやく浮かび上がってきた人のように、大きく息を吸い込み、それを吐き出した。身体中の空気を丸ごと入れ換えるみたいに。

（強引なキスで腫れた唇）黒くなっている唇の角

死んだ猫を探すみたいに（存在しない）永遠の愛を探す

熱い唇の感触が火花のように貫く

（女が受動的なセックス）僕が抱くと彼女はそれに温かく応えてくれたけど、決して自分の方から要求したり、積極的に何かをしたりということはなかった。僕に抱かれているとき、キキは体の力を抜いて、とてもリラックスしてそれを楽しんでいるように僕には思えた。

（つらい結婚生活）一緒に生きていこうとすればするほど摩擦は高まり、互いにすり減っていく。

長く尾をひくため息

しきりに胸から喉へ突き上げてくる不快なげっぷ

マサルの全身は酸素を渇望し、習慣づいた鍛錬によりほとんど無意識下に置かれつつあるものの、息を吐くときだけ、彼の頭脳は横隔膜に指令を出した。二度短く息を吐き、吸気に関しては横隔膜の自然な動きに任せる。この、吸気の際、横隔膜をリラックスさせるだけで自動的に肺が新鮮な空気で満たされる、という生理科学の神秘を実感すると呼気まで自然の動きに任せようとしてしまいがちになるが、大抵ろくなことにはならなかった。明るい橋の上で呼気のコントロールを止めてみると、十秒も経たないうちに酸素の補給系統は乱れ、マサルは危うく一九一センチメートルの巨体をのたうちまわらせそうになった。なんでもかんでも、自然の法則に委ねればよいという考えは、間違いだった。

ふかぶかと胸一杯に匂やかな空気を吸い込めば、ついぞ胸一杯に呼吸したことのなかった私の身体や顔には温い血のほとぼりが昇って来てなんだか身内に元気が目覚めて来た

長い長いふるえた呼吸（いき）を腹の底から吐き出し