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現実の位相から微妙にずれている花園にいるようなものだった。そのことに、はっきりと気づいた。美しい時間だ。実にいい。そして限りがある。いつまでも続くわけがない。
吉本 ばなな「N・P (角川文庫)」に収録 ページ位置:68% 作品を確認(amazon)
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居心地がいい・過ごしやすい雰囲気
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前後の文章を含んだ引用
......恐れをまったく身につけていない肉体の存在感。私はレズでもなく、もう高校生でもないただの女だ。生命の密度が濃かったころの、過去の匂いがするこの人たちといることは、現実の位相から微妙にずれている花園にいるようなものだった。そのことに、はっきりと気づいた。美しい時間だ。実にいい。そして限りがある。いつまでも続くわけがない。何でいまさらここにいるのかと、目がさめたような感じだった。 風が強い。少し冷えてきた。「ところでさ、やっぱり呪いってあるよね。知ってた?」 萃が言った。「やめて......
単語の意味
花園(はなぞの)
花園・・・美しい花が一面に咲き乱れる場所。花の咲く草木がたくさんある庭園。花畑。転じて、美しい女性が大勢いる場所。
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居心地がいい・過ごしやすい雰囲気の表現・描写・類語(雰囲気・空気のカテゴリ)の一覧 ランダム5
空間が肌になじんで、居心地がいい。
吉本 ばなな「アムリタ(下) (新潮文庫)」に収録 amazon
四人でごはんを食べていると、じわっとしたなんとも言えないくつろぎを感じた。家族的な雰囲気と、自分がここにいるのがしみじみと求められていて居心地がいい感じだった。
よしもとばなな / 銀の月の下で「まぼろしハワイ」に収録 amazon
電燈に使い馴れた覆いをかけると、狭い室内は他人の家の一部と思えないような落付きをもった。
宮本百合子 / 明るい海浜
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「雰囲気・空気」カテゴリからランダム5
冷たい悪寒を含んだ空気が、四方からジワジワと、粘っこく、重たく、雪子の身体にのしかかって来る
石坂洋次郎 / 青い山脈 amazon
底知れぬ冷やかな、厳粛な感じが、頻 りに首すじの処へ襲いかかって、全身がゾクゾクして来るのを我慢する事が出来なかった。
夢野久作 / ドグラ・マグラ
尋恵は身体を凍りつかせた。 人の気配を部屋の中に感じた。 まさか……そう思い、背中を撫でる空気の動きの正体を見極める。
雫井 脩介「火の粉 (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
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