がさがさと音がして、向こうから何かがやって来る気配がした。目を開けると繁みが揺れていた。
吉本 ばなな「アムリタ〈上〉 (新潮文庫)」に収録 ページ位置:39% 作品を確認(amazon)
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人の気配
草むら・茂み
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前後の文章を含んだ引用
......ずしさは全身にしみわたるようだった。 ああ、美しい。 ああ、涼しい。 この完壁な景色の中に立ちながら、目を閉じているという贅沢と快楽を味わい尽くす。 そのとき、がさがさと音がして、向こうから何かがやって来る気配がした。目を開けると繁みが揺れていた。 そこで目が覚めた。 夢だった、というのがわかるまで、少しかかった。 何が来るかわからないままでまだどきどきしていたし、冷たい風の感触の余韻も胸にひんやりと残っ......
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人の気配の表現・描写・類語(人の印象のカテゴリ)の一覧 ランダム5
(気配なく近づく人)気がつくと自分の五感が警戒する距離に迫ってきている。それが大胆なだけに、五感の警戒が一歩遅れてしまうのだ。そして慌てて警戒信号を発することになる。武内と接するときはそんな感覚が付きまとう。
雫井 脩介「火の粉 (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
獣の息遣いが背後に迫っている。
雫井 脩介「火の粉 (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
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草むら・茂みの表現・描写・類語(植物のカテゴリ)の一覧 ランダム5
蹲(うずく)った獣の黒っぽい厚い毛のような公園の茂み
日野 啓三 / 夢の島 amazon
落葉松(からまつ)と楡(にれ)ともみの木の茂りが、黒い氷の塊のよう
室生 犀星 / 杏っ子 amazon
長い冬に踏みしだかれた枯れ草が、寝そべったままで風に吹き殴られる
中島 みゆき / 泣かないで・女歌(おんなうた) amazon
風のない茂みがじっと闇を抱いてこもる
日野 啓三 / 抱擁 amazon
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「人の印象」カテゴリからランダム5
セックスの象徴と世に言われる黒人男
山田詠美「新装版 ハーレムワールド (講談社文庫)」に収録 amazon
「雰囲気・空気」カテゴリからランダム5
教室内の女子の皮膚がぴりっと緊張する。
村田 沙耶香「しろいろの街の、その骨の体温の」に収録 amazon
子供のころ、田舎のおじいさんの家に遊びに行って、古いお蔵を開けて嗅いだような、そんな臭いなの。いろんな古いものが混じり合って、じっと澱んでいるようなね。
村上 春樹 / ダンス・ダンス・ダンス(上) amazon
空気まで冷え冷えとざらつくような人工島の夕暮れ
日野 啓三 / 夢の島 amazon
「植物」カテゴリからランダム5
亭々とした華奢 な幹の先の思いがけない葉の繁 みを、女の額の截 り前髪のように振り捌 いて、
岡本かの子 / 河明り
風に靡いて擦れ合う葉の囀(さえず)りが、樹々が笑っているように聞こえる
辻 仁成 / グラスウールの城 amazon
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