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(隣室の音に)耳をそばだてた。柔く床に倒れるサユリの肌やそれを押さえつけるスタンの骨のきしみの気配を、扉を一枚隔てた場所で、驚くほど正確に彼は感じ取った。
山田詠美「新装版 ハーレムワールド (講談社文庫)」に収録 ページ位置:81% 作品を確認(amazon)
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耳を澄ます・聞き耳を立てる
人の気配
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前後の文章を含んだ引用
......室のきぬ擦れの音を誰が作っているのか、彼にはっきりと悟らせる結果になったのである。 二人の思いやりにあふれたその行為を理解して、シンイチは、怒ることすらできずに耳をそばだてた。柔く床に倒れるサユリの肌やそれを押さえつけるスタンの骨のきしみの気配を、扉を一枚隔てた場所で、驚くほど正確に彼は感じ取った。堪えきれない小さな溜息。指の間で糸を引く粘膜の震えるようすなどを。 サユリは声を出さずに吐息を組み合わせてスタンの名を呼ぶだろう。そして、自らの快楽を分け与える......
単語の意味
隔てる(へだてる)
欹てる・側てる(そばだてる)
隔てる・・・間に何か置く。間に何か置いて交流や行き来できないようにする。時間的、空間的に間をあける。
欹てる・側てる・・・1.一方の端を高さを上げる。そびえたたせる。
2.目や耳などを、一つの方向に神経を集中させる。
2.目や耳などを、一つの方向に神経を集中させる。
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耳を澄ます・聞き耳を立てるの表現・描写・類語(音の響きのカテゴリ)の一覧 ランダム5
話しているのが聞こえてきた。よく聞いてると、わかってくるんだ。言葉になってくるの。
吉本 ばなな「アムリタ〈上〉 (新潮文庫)」に収録 amazon
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人の気配の表現・描写・類語(人の印象のカテゴリ)の一覧 ランダム5
(気配なく近づく人)気がつくと自分の五感が警戒する距離に迫ってきている。それが大胆なだけに、五感の警戒が一歩遅れてしまうのだ。そして慌てて警戒信号を発することになる。武内と接するときはそんな感覚が付きまとう。
雫井 脩介「火の粉 (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
俺は目の端で彼女の気配だけをとらえている。
新海 誠「小説 君の名は。 (角川文庫)」に収録 amazon
物に憑かれたような殺気を感じられる動き
吉村 昭 / 海の鼠 amazon
かすかに後ろでアスファルトの砂を踏みしめる音がした。 振り返ると、背後に見知らぬ男がいた。
雫井 脩介「火の粉 (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
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「音の響き」カテゴリからランダム5
カタ、コトと靴音をならして
遠藤 周作「海と毒薬 (角川文庫)」に収録 amazon
風に靡いて擦れ合う葉の囀(さえず)りが、樹々が笑っているように聞こえる
辻 仁成 / グラスウールの城 amazon
「人の印象」カテゴリからランダム5
北欧人といえば、ヴァイキングの末裔たち。金髪碧眼赤ら顔の、クマみたいにデカい人種ではないか。
中村 うさぎ / 浪費バカ一代―ショッピングの女王〈2〉 amazon
(死体の)はや乾いた眼の玉の池の中には蛆(うじ)大将が勢揃え。
山田 美妙 / 武蔵野 amazon
「雰囲気・空気」カテゴリからランダム5
現実の位相から微妙にずれている花園にいるようなものだった。そのことに、はっきりと気づいた。美しい時間だ。実にいい。そして限りがある。いつまでも続くわけがない。
吉本 ばなな「N・P (角川文庫)」に収録 amazon
嘉十はぴたりとたちどまってしまいました。 それはたしかに鹿のけはいがしたのです。
宮沢賢治 / 鹿踊りのはじまり
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