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草木のざわめきの表現・描写・類語

松のざわめき

揺られた木々は風のハープをかき鳴らす

車窓を擦過する木の枝葉は、あわてものの鳥の翼のような音をさせ

三島由紀夫 / 真夏の死　amazon

日野啓三 / 抱擁　amazon

植え込みが臆病な動物の群れのようにざわめく

宮部みゆき / 我らが隣人の犯罪　amazon

担いだ竹が、尻尾のように葉音を鳴らしながらついて来る

伊集院静 / 三年坂　amazon

乾いた草がパサパサと音を立てる

風に木立の騒ぐ音が遠く水の流れのように聞えた。

島木健作 / 第一義

風雨は激しく、窓外はまるでつなみのような音をたてて樹木が鳴っていた。

林芙美子 / 浮雲　amazon関連カテ雨の音

風が（葉の落ちた）ケヤキの枝のあいだを、鋭い音を立てて抜けていった。絶望を知った人の歯の隙間から出て行く酷薄な息のように。

村上春樹 / 1Q84 BOOK 3　amazon関連カテ風の音

葉ずれの音がさざ波のように寄せては返す

（杉林は）風のせいなのか、左右に揺れていた。そのたびに葉が音を立てる。巨大な動物が足踏みをして、体毛を震わせるかのようだった。

伊坂幸太郎 / グラスホッパー　amazon関連カテ森林・ジャングル

葉の音がざわざわと鳴りながら、落ちてくる。

雑木林の枝が風で吹かれて何事かを囁いているよう

伊坂幸太郎 / ラッシュライフ　amazon

頭上でさわさわと桜が鳴いた。あたしの一人勝手なおしゃべりや思いつきを笑っているようにもおもしろがっているようにも聞こえる。

あさのあつこ「ガールズ・ブルー〈2〉 (文春文庫)」に収録　amazon

風がまたどうと吹いて来て窓ガラスをがたがた言わせ、うしろの山の萱（かや）をだんだん上流のほうへ青じろく波だてて行きました。

宮沢賢治 / 風の又三郎　青空文庫関連カテ風

風が出て来てまだ刈っていない草は一面に波を立てます。

宮沢賢治 / 風の又三郎　青空文庫

知らない草穂が静かにゆらぎ、少し強い風が来る時は、どこかで何かが合図をしてでもいるように、一面の草が、それ来たっとみなからだを伏せて避けました。

宮沢賢治 / 風の又三郎　青空文庫

風が吹くと庭の草が一面、ささやくようにかさかさと揺れた。

小川洋子 / ドミトリイ「妊娠カレンダー (文春文庫)」に収録　amazon

田舎の通りには人がいなくて、自動車が通ることも稀で、ただ静かに草木を渡る風の音がした。

中島京子「小さいおうち (文春文庫)」に収録　amazon関連カテ田舎（いなか）

（夕陽を浴び、）北から冷たい風が来て、ひゅうと鳴り、はんの木はほんとうに砕（くだ）けた鉄の鏡のようにかがやき、かちんかちんと葉と葉がすれあって音をたてたようにさえおもわれ

宮沢賢治 / 鹿踊りのはじまり　青空文庫関連カテ夕日・西日

曲りくねった一株の松が、こうこうと夜風に鳴る音だけ

芥川龍之介 / 杜子春　青空文庫

庭の樹木が夕暮近くの風に葉をさらさらとすりあわせていた。

村上春樹「羊をめぐる冒険」に収録　amazon

巨大なしいの枝が砂山が崩れ落ちる時のような音を立てて頭上で風に揺れた。

村上春樹「羊をめぐる冒険」に収録　amazon

葉と葉がこすれて、微かに波のような音をたてていた。

村田沙耶香「しろいろの街の、その骨の体温の」に収録　amazon

葦の群れが微かにさわいだ。風が出てきたらしい。

池波正太郎「食卓の情景 (新潮文庫)」に収録　amazon関連カテ風の音葦（あし）

河岸の菩提樹（ぼだいじゅ）の夕闇を細（こま）かく刻（きざ）んだ葉は河上から風が来ると、飛び立つ遠い群鳥のように白い葉裏を見せて、ずっと河下まで風の筋通りにざわめきを見せて行く。

岡本かの子 / 巴里祭　青空文庫

木々の葉の囁（ささや）き

岡本かの子 / 母子叙情　青空文庫

遠くの葦の葉ずれが、ひそひそと耳にささやくように聞える。

岡本かの子 / 渾沌未分　青空文庫関連カテ葦（あし）

ばさっと、庭先の連翹（れんぎょう）の花が、嵐みたいに揺れた。

吉川英治 / 無宿人国記　青空文庫関連カテ揺れる

遠くの樹に風が黒く渡る。と、やがて眼近い夾竹桃（きょうちくとう）は深い夜のなかで揺れはじめる

梶井基次郎 / ある心の風景　青空文庫関連カテ夜風

高い気流のなかで小さい葉と共に揺れ青い枝と共に撓（たわ）んでいる

梶井基次郎 / ある心の風景　青空文庫関連カテ枝曲がる・しなる・湾曲する風を受ける

鋼鉄のような弾性で撓（し）ない踊りながら、風を揺りおろして

梶井基次郎 / 冬の日　青空文庫関連カテ曲がる・しなる・湾曲する

ひかり園を囲んでいる緑全部が荒々しくぶつかり合って、重たい音を響かせていた。ひかり園に吹き付ける風の音は、緑が多い分だけ余計に激しく聞こえた。風の幕がひかり園全体をすっぽり覆っていた。

小川洋子 / ダイヴィング・プール「完璧な病室 (中公文庫)」に収録　amazon関連カテ強風・暴風

木々がざざあっと揺れた。

宮下奈都「羊と鋼の森 (文春文庫)」に収録　amazon

日中は動かなかった空気が崩れ、樹々の葉がやっと夕風に爽やかな音をたてて鳴りだした

遠藤周作「沈黙（新潮文庫）」に収録　amazon関連カテ微風・そよ風

（椰子の木の）葉扇は戛かつ々かつと風に鳴った。

昇平, 大岡「野火(のび) (新潮文庫)」に収録　amazon

くさむらが、背丈の高い野菊のしげみを風にゆすって、彼をまねいている。

野間宏 / 崩解感覚「暗い絵・顔の中の赤い月 (講談社文芸文庫)」に収録　amazon

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