(椰子の木の)葉扇は 戛 々 と風に鳴った。
昇平, 大岡「野火(のび) (新潮文庫)」に収録 ページ位置:23% 作品を確認(amazon)
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草木のざわめき
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前後の文章を含んだ引用
......の水の間の三角の段丘に、椰子が群れていた。 葉柄の集まる梢に、実が小児の頭のように円みを並べていた。しかし幹は高く、衰えた私の体では攀じることは出来なかった。 葉扇は戛々と風に鳴った。私は根方の草に寝て眼をつぶり、その音だけを聞いていた。私は飢えを意識し、手に当る草を採ってその根を噛んだ。口中が痺れた。 夜、月が数々の葉末を剣のように光らした......
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樹々の葉のすれあう音
村上 春樹「羊をめぐる冒険」に収録 amazon
藻や太藺 が風の狼藉の跡に踏みしだかれていた。
岡本かの子 / 金魚撩乱
山の上のほうでは風も吹いているらしく、ときどき萱 が白く波立っていました。
宮沢賢治 / 風の又三郎
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こう広いところで2人でしゃべってると、声がやたら響いてすごい秘密をしゃべってるみたい
吉本 ばなな「N・P (角川文庫)」に収録 amazon
暗い穴の底から響いてくるような声
干刈 あがた / しずかにわたすこがねのゆびわ amazon
「植物」カテゴリからランダム5
八ツ手の葉にいっぱい埃 がかぶさったまま露がしっとりとしていて
林芙美子 / 新版 放浪記
濁った朝焼けの空を、樹々の梢がやたらにかきまわして騒ぐ
永井 龍男 / コチャバンバ行き amazon
(樫の木の)連続した枝は一枚の霞網のように手入れされ
打木村治 / トルストイ・サロン
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