カーステレオの歌が耳を素通りしてゆく。いつもならカセットを何度も取り替えているはずなのに、一度も取り替えないまま、気がつけば車は相模川を渡ろうとしていた。
乾 くるみ / イニシエーション・ラブ ページ位置:83% 作品を確認(amazon)
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上の空・心ここにあらず
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......……どうしたらいいと思う?」 そんなことの繰り返しで、結局、ちゃんとした結論は出ないままに、僕は「もう帰る時間だから」と言って、マユの部屋を後にしてしまった。 カーステレオの歌が耳を素通りしてゆく。いつもならカセットを何度も取り替えているはずなのに、一度も取り替えないまま、気がつけば車は相模川を渡ろうとしていた。茅ヶ崎駅前の交差点では無意識のうちに信号無視をしてしまい、対向車線の右折車にクラクションを鳴らされて初めてそのことに気づいたりした。危うく事故を起こすところだっ......
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彼は彼女と並んで歩きながら、彼女の心が、全く彼の方向にはなく、どこか彼女の体の内の深いところにずり落ちているのを感じていた。
野間 宏 / 顔の中の赤い月「暗い絵・顔の中の赤い月 (講談社文芸文庫)」に収録 amazon
君は漁夫たちとひざをならべて、同じ握り飯を口に運びながら、心だけはまるで異邦人のように隔たってこんなことを思い出す。
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胸を押さえつけられるような劣等感に苦しんだ。
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ツバを引っかけてやるべき裏切った男
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