恐怖におびえる

憂慮に堪えない

それは怖いことだ。一生かけてもめったに触れ得ないことだ。そこの見えない深い 淵 や、サングラスをかけずに太陽を直視することに似ている。

（ピストルを手に取ると）電流の通ったバラ線でも 摑 むような気がした

おぞましい

その時その時には納得するのだが、またしばらくすると新しい不安が込み上げて来る。その繰り返しが、さながら地震の揺り戻しのように思え

屠殺（とさつ）される前の不安な状態が胸を締めつける。

顔を両手で覆って、閉ざした瞼の内側に覚えず逃げ込んだ。その暗がりにだけ、僅かに身の置き場があった。

（相手が何を言い出すのか不安で目をそらせない）不安が込み上げてくる。抗い難い吸引力が働いて、数秒間、探り合うような目と目を 逸らすことができずにいる。今にも陣治の口が動いて、何か予想もつかないことを言い出すのではないかと、首筋に力が入る。

黒い雲のように不安と恐怖とが胸にひろがりはじめた。

なんとも知れない恐怖を感じる

恐怖が悪寒のように身体の中を走り抜ける

会うたびに感ずる、あの押しつけられるような恐怖感

恐怖で顔がゆがむ

恐怖に身を震わせる

不安は深まった。霧の中の船が、不断に汽笛を鳴らすように、町子も手を束ねてはいられなかった。

私たち四人は強い信頼関係で結ばれて、大海にこぎ出していかなければならない状態にあるはずなのに、小さな船はただ固まっているだけで、実はどこもつながっていないような、寂しさと不安が込み上げてきます。

絶望的な不安

真昼の砂漠を歩いている獣にふいの暗黒と羽ばたきと猛禽の爪がおそいかかったような息苦しい不安

『──俺は幸せなんだ。……』 　彼は先ほど、電気を消した子供部屋で、息子の手を握ったまま唐突に襲われた強烈な幸福感のことを考えた。『俺はこの子の父親なんだ。』と胸の 裡 で呟いて、その一言一言が──「この子」や「父親」といった言葉だけでなく、その関係性を紡ぐ助詞に至るまで！──彼を恍惚とさせた。それは、ほとんど自分自身を見失ってしまいそうなほどの大きな実感だったが、あの平凡なひとときが、それほどまでに特別だったというのは、結局、不安の裏返しであるようにも感じられた。まるで将来、自分の人生の最も幸福な時として、この夜のことをこそ思い出すのではと予感されるほどに。……

胸がどきつく

心細さが胸の底から湧く

疑惑が胸に色濃く貼りつく

突然どこから飛び込んで来たのか知れない不快の念のために葉子の胸はかきむしられた。

烈しい胸騒ぎと不安とを感じる。

戸惑い

魂を何かに預けているような不安

（暗い部屋で）どこからともなく忍び込んでくる不安が闇そのもののように部屋に漂っている。

戦慄が体を突き抜ける

彼は自分の胸の 動悸 を聞いた。