くるしいほど 碧 く光り、時には陰鬱に 黝 んだ海
遠藤 周作「海と毒薬 (角川文庫)」に収録 ページ位置:21% 作品を確認(amazon)
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海
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前後の文章を含んだ引用
......々にある救護所や工場に送られてしまった。研究生の勝呂ももうすぐ、短期現役でどこかに連れていかれる筈だった。 医学部の西には海がみえる。屋上にでるたびに彼は時にはくるしいほど碧く光り、時には陰鬱に黝んだ海を眺める。すると勝呂は戦争のことも、あの大部屋のことも、毎日の空腹感も少しは忘れられるような気がする。海のさまざまな色はなぜか、彼に色々な空想を与えた。たとえば......
単語の意味
陰鬱(いんうつ)
青黒・黝(あおぐろ)
陰鬱・・・陰気(=どんよりして)で鬱陶(うっとう)しい(=晴れ晴れしない)さま。気持ちがすっきりしてないさま。気分が重苦しいさま。
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(船上から)波また波と果てしもなく連なる水の堆積 をはるばるとながめやった。
有島武郎 / 或る女
夜の相模湾が、一枚の銀色の布のように横たわる
森 瑤子 / 風物語 amazon
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日が強いので水がやに光る。
夏目 漱石 / 坊っちゃん amazon
海が暮れ方の紫紺の水平線を長く曳(ひ)く
大仏 次郎 / 雪崩 (1953年) amazon
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