径の縁には赤土の露出が雨滴にたたかれて、ちょうど風化作用に骨立った岩石そっくりの恰好になっているところがあった。その削り立った峰の頂 にはみな一つ宛小石が載っかっていた。
梶井基次郎 / 筧の話 ページ位置:20% 作品を確認(青空文庫)
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山道・峠道
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前後の文章を含んだ引用
......は種々の実生 や蘚苔 、羊歯 の類がはえていた。この径ではそういった矮小 な自然がなんとなく親しく――彼らが陰湿な会話をはじめるお伽噺 のなかでのように、眺められた。また径の縁には赤土の露出が雨滴にたたかれて、ちょうど風化作用に骨立った岩石そっくりの恰好になっているところがあった。その削り立った峰の頂 にはみな一つ宛小石が載っかっていた。ここへは、しかし、日がまったく射して来ないのではなかった。梢の隙間を洩れて来る日光が、径のそこここや杉の幹へ、蝋燭 で照らしたような弱い日なたを作っていた。歩いて......
単語の意味
赤土(あかつき・せきど)
峰・峯・嶺(みね)
雨滴(うてき)
赤土・・・赤い土。赤色は鉄分に由来するもの。
雨滴・・・雨のしずく。雨水の粒。雨だれ。
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左右から木立の茂った山の崖裾の間をくねって通って行く道は、ときどき梢の葉の密閉を受け、行手が小暗くなる。
岡本かの子 / 東海道五十三次
北山の峰々にすっぽり抱きこまれたかのような山道
池波 正太郎「食卓の情景 (新潮文庫)」に収録 amazon
流れの底のような 凸凹 路
直哉, 志賀「暗夜行路 (新潮文庫)」に収録 amazon
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細い道が、あやふやな薄明りで、魚の腹のような色をして伸びている
内田 百けん / 百鬼園随筆 amazon
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