窓から吹き込む風が、彼女の頸の辺りまで垂れかかっている髪の毛を、動かしている
野間 宏 / 顔の中の赤い月「暗い絵・顔の中の赤い月 (講談社文芸文庫)」に収録 ページ位置:88% 作品を確認(amazon)
この表現が分類されたカテゴリ
髪の揺れ・動き
はためく・翻る
しおりに登録する
前後の文章を含んだ引用
......であるいて行った。「送りましょうか?」と彼は再び言った。が彼女は相変らず黙っていた。 電車はがらんと空いていたが、二人は入口のところに向い合って立っていた。彼は窓から吹き込む風が、彼女の頸の辺りまで垂れかかっている髪の毛を、動かしているのを見ていた。そして幾らか左に傾けた小さな体が、頼りなげな存在を、自分の前にとどめているのをみていた。彼は彼女が遂にはこの敗戦の世を、生ききることができないのを......
単語の意味
髪の毛(かみのけ)
首・頸・頚(くび)
髪の毛・・・頭部に生える毛。毛髪(もうはつ)。髪。
首・頸・頚・・・1.頭と胴体をつなぐ細い部分。頸部(けいぶ)。また、「頭」そのものを指す場合もある。
2.1に似た役割を果たす部分や似た格好の部分。衣服の襟(首にあたる部分)。「びんの首」「セーターの首」など。
3.免職や解雇することをあらわす。首を切るという意味から。
2.1に似た役割を果たす部分や似た格好の部分。衣服の襟(首にあたる部分)。「びんの首」「セーターの首」など。
3.免職や解雇することをあらわす。首を切るという意味から。
ここに意味を表示
髪の揺れ・動きの表現・描写・類語(髪のカテゴリ)の一覧 ランダム5
髪の豊かな頭を振って見せた。若々しい性質がその髪の根から一度に振り出されるように見えた。
大仏 次郎 / 宗方姉妹 (1954年) amazon
縮れた長い髪が蜘蛛の巣のように揺れる
山田 詠美 / ハーレムワールド amazon
このカテゴリを全部見る
はためく・翻るの表現・描写・類語(風のカテゴリ)の一覧 ランダム5
風が彼のオーバーの裾をはたいた。
松本 清張「点と線 (新潮文庫)」に収録 amazon
長い髪が、ふるえる肩のところで吹きすさぶ強い春風にさらされて踊っていた。
吉本ばなな / サンクチュアリ「うたかた/サンクチュアリ」に収録 amazon
このカテゴリを全部見る
「髪」カテゴリからランダム5
髪の毛はその人の表情の上に生えているものなのだろう。取ってつけたように美しく整った髪は、頭のお面のようでいささか薄気味が悪かった。
向田邦子 / りんごの皮「思い出トランプ(新潮文庫)」に収録 amazon
薄紫の羽のように高くふくらませた髪
大庭 みな子 / 三匹の蟹 amazon
まるで頭の上は果物籠をのっけたような感じ
林芙美子 / 新版 放浪記
「風」カテゴリからランダム5
爽やかな夜風が波のように荒く吹き込み、よどんだ部屋の空気がすがすがしく交りあう。
林 芙美子 / 茶色の目「林芙美子全集〈第15巻〉茶色の目 (1952年)」に収録 amazon
さらさらという夕の肌寒い風が障子の穴から忍び込む
長与 善郎 / 青銅の基督 amazon
「状態・状況」カテゴリからランダム5
(男→女)俺は息を深く吸う。 すーっ。 「……?」 風邪か? 鼻と喉に違和感がある。空気の通り道が、いつもよりもすこし細い。胸が、奇妙に重い。なんというか、物理的に重いのだ。俺は自分の体に目を落とす。そこには胸の谷間がある。
新海 誠「小説 君の名は。 (角川文庫)」に収録 amazon
波紋のようなひろがりを見せて来る
池波 正太郎「食卓の情景 (新潮文庫)」に収録 amazon
同じカテゴリの表現一覧
髪 の表現の一覧
風 の表現の一覧
状態・状況 の表現の一覧
人物表現 大カテゴリ