川は 気紛れに岸に当って 淵 を作り、または白い瀬となって 拡がった。
昇平, 大岡「野火(のび) (新潮文庫)」に収録 ページ位置:22% 作品を確認(amazon)
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川
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前後の文章を含んだ引用
......繁って、柔かな緑を風に揺っていた。雨季の増水の名残であろう、流木が砂と礫の上に干いていた。その間に、わずかに踏み固められた一条の道について、私は降りて行った。 川は気紛れに岸に当って淵を作り、または白い瀬となって拡がった。日暮に暗い淵の蔭で河鹿が鳴き、夜明には岸の高みで山鳩が鳴いた。 道は或る時、岸に登り、蔓草を縦横に張りめぐらした、叢林の中を行った。夜、林に寝ると枕の土が青白く......
単語の意味
淵・潭(ふち)
淵・潭・・・1.川などで、底がよどんでいる場所。潭(たん)。 ⇔ 瀬。
2.苦しい境遇。苦境。「悲しみの淵に沈む」
2.苦しい境遇。苦境。「悲しみの淵に沈む」
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川の表現・描写・類語(水面・水中・水辺のカテゴリ)の一覧 ランダム5
谷川がごうごうと流れ
宮沢賢治 / ひかりの素足
川水は勢いを削(そ)がれどんよりと悲しんでいるようにしばらく澱(よど)んで見せる
室生 犀星 / あにいもうと「あにいもうと・詩人の別れ (講談社文芸文庫)」に収録 amazon
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「水面・水中・水辺」カテゴリからランダム5
大小の鯨のような岩が波をかき回す
加賀 乙彦 / 海霧 amazon
三メートルぐらい幅があって、沢というよりは川に近い。
三浦 しをん「神去なあなあ日常 (徳間文庫)」に収録 amazon
巨大な太陽が西に落ちて水平線がトマト・ソースのような赤に染まり、サンセット・クルーズの船が帆柱に灯をともし始めるまでそこに寝転んでいた。彼女は最後の一筋の光までを味わっていた。
村上 春樹 / ダンス・ダンス・ダンス(下) amazon
ここは口無しの瀬戸という袋小路のように見える海である
井伏 鱒二 / さざなみ軍記 amazon
畳を敷いたようにギッシリと生える海藻
本多 勝一 / きたぐにの動物たち amazon
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