やや風が吹き出して、河の天地は晒 し木綿の滝津瀬のように、白瀾濁化 し、
岡本かの子 / 河明り ページ位置:36% 作品を確認(青空文庫)
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川
強風・暴風
吹雪・暴風雪
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前後の文章を含んだ引用
......いた。私は小店員の去ったあと、また河の雪を眺めていた。 水は少し動きかけて、退き始めると見える。雪まだらな船が二三艘 通って、筏師 も筏へ下りて、纜 を解き出した。 やや風が吹き出して、河の天地は晒 し木綿の滝津瀬のように、白瀾濁化 し、ときどき硝子障子 の一所へ向けて吹雪の塊りを投げつける。同時に、形がない生きものが押すように、障子はがたがたと鳴る。だが、その生きものは、硝子板に戸惑って別に入口......
単語の意味
滝津瀬・滝つ瀬(たきつせ)
滝津瀬・滝つ瀬・・・滝。滝のような急流。
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川の表現・描写・類語(水面・水中・水辺のカテゴリ)の一覧 ランダム5
渓流は岩にはじかれるようにあちこちに向きをかえ、ところどころに氷のように冷ややかなよどみを作っていた。
村上 春樹「羊をめぐる冒険」に収録 amazon
横ともなく縦ともなく川波が随意に泡だつ
本庄 陸男 / 石狩川〈上〉 amazon
川の流れの表面が、海風になぶられて錆(さび)色の鱗のような小波(さざなみ)を立てる
高樹 のぶ子 / 光抱く友よ amazon
山裾(やますそ)の川が杉の梢から流れ出るように見える
川端 康成 / 雪国 amazon
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強風・暴風の表現・描写・類語(風のカテゴリ)の一覧 ランダム5
その声もまるでちぎるやうに風が持って行ってしまひました。
宮沢賢治 / ひかりの素足
風が今にも梢から月を落としそう
国木田 独歩 / 武蔵野 amazon
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吹雪・暴風雪の表現・描写・類語(雪・霜・あられのカテゴリ)の一覧 ランダム5
目も向けられないような濃い雪の群れは、波を追ったり波からのがれたり、さながら風の怒りをいどむ小悪魔のように、面憎 く舞いながら右往左往に飛びはねる。吹き落として来た雪のちぎれは、大きな霧のかたまりになって、海とすれすれに波の上を矢よりも早く飛び過ぎて行く。
有島武郎 / 生まれいずる悩み
冬の吹雪する日は白い沙漠のような往来
森田 たま / もめん随筆 amazon
風がひゅうと鳴って雪がぱっとつめたいけむりをあげます
宮沢賢治 / ひかりの素足
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「水面・水中・水辺」カテゴリからランダム5
青く澄んだ川の水は油のように流れて
島崎 藤村 / 千曲川のスケッチ amazon
菜の花の黄色の帯の向こうに、青い布をハラリと広げたようなのどかな瀬戸内海がある
阿久 悠 / 瀬戸内少年野球団 amazon
巨大な太陽が西に落ちて水平線がトマト・ソースのような赤に染まり、サンセット・クルーズの船が帆柱に灯をともし始めるまでそこに寝転んでいた。彼女は最後の一筋の光までを味わっていた。
村上 春樹 / ダンス・ダンス・ダンス(下) amazon
きっかりと雲を分けて海の青さが見えた。
阿刀田 高 / 捩れた夜「ナポレオン狂 (講談社文庫)」に収録 amazon
岸に近い海面が、春の海藻の丹のいろに染まる
三島 由紀夫 / 潮騒 amazon
「風」カテゴリからランダム5
国旗が微風にあおられて青空の中に動いていた。
有島武郎 / 或る女
風は帽子を 被らずにいる彼の髪を 穿つように吹きつけた。そして、 睫毛 が風に吹き倒されるので眼がかゆくなった。
直哉, 志賀「暗夜行路 (新潮文庫)」に収録 amazon
「雪・霜・あられ」カテゴリからランダム5
吹雪が原野の面を磨いて、一枚の鏡のようにまっ平らにする
本庄 陸男 / 石狩川〈上〉 amazon
繭(まゆ)の中の蚕のように人を包む雪
辻井 喬 / 暗夜遍歴 amazon
降りたったホームには雪が舞っていた。雪というより、ほの白い風である
連城 三紀彦 / 棚の隅 amazon
堅雪の表面がざらめのようにざらついている
石森 延男 / コタンの口笛 第2部 amazon
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