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色粉で染めた綿毛のような黴が広がっていく
小川洋子 / ダイヴィング・プール「完璧な病室 (中公文庫)」に収録 ページ位置:64% 作品を確認(amazon)
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黴・かびる
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......のポリバケツにリエを閉じ込めたら、やっぱりこの前のように怯えて泣くだろうか。泣いて泣いて、涙と汗と鼻水で身体中がぐっしょり濡れて、しばらくすると滑らかな太腿に、色粉で染めた綿毛のような黴が広がっていくのだろうか。地下のポリバケツを見るたびに、わたしはリエの太腿に生える黴のことを想像した。 日曜日の午後、わたしは遊戯室にいた。まだ幼稚園に行っていない歳の子供が......
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色粉で染めた綿毛のような黴が広がっていく
小川洋子 / ダイヴィング・プール「完璧な病室 (中公文庫)」に収録 amazon
(皿に盛られた飯が、)岩を蔽(おお)う海苔のような、緑と蜜柑色の黴(かび)を生やしていた。
武田 泰淳 / 風媒花 amazon
緑っぽく細かい黴 が、蛾の翅 の粉を撒いたように滲みついていた。
宮本百合子 / 伸子
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のりの 利いた厚いテーブル・クロースに緑色の酒がこぼれたのが白熱 瓦斯 の下で一層美しく見えた。
直哉, 志賀「暗夜行路 (新潮文庫)」に収録 amazon
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