彼は 執拗 だった。《…略…》飼い主が振り向いてくれるのを尾を垂れて待っている犬のような顔つきで、駅までの 路 を黙ってついてきた。
沼田 まほかる「彼女がその名を知らない鳥たち (幻冬舎文庫)」に収録 ページ位置:4% 作品を確認(amazon)
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追う・追われる
ストーカー
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前後の文章を含んだ引用
......目もくれず、十和子のところにまっすぐに来た。陣治は嗅ぎつけた――、この男のなかにはじめから巣くっている絶望が、十和子の絶望を鋭く嗅ぎ分けたのだ。そしてそうなると彼は執拗だった。十和子は傘も花束もメダカも無視したが、それでも陣治は、飼い主が振り向いてくれるのを尾を垂れて待っている犬のような顔つきで、駅までの路を黙ってついてきた。〈ストーカー〉がそのころすでに日常語になっていたかどうかは知らないが、上司に相談するとか、交番に駆け込むとか、さもなければせめて衆人の面前で決然とした拒否を表明......
単語の意味
顔付き(かおつき)
犬・狗(いぬ)
犬・狗・・・1.イヌ科の哺乳動物。大昔から人間に飼育されてきた家畜。従順で賢く、家やヒツジの番をしたり、犯人捜査や目や耳の不自由な人の導いたりもできる。
2.(あちこちとかぎ回るところから)他人の秘密などをかぎ回って報告する者。スパイ。まわしもの。間者(かんじゃ)。
2.(あちこちとかぎ回るところから)他人の秘密などをかぎ回って報告する者。スパイ。まわしもの。間者(かんじゃ)。
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犬がよくやる走り方のように、一生懸命に駈け出しては後ろを見る
ジュール・ルナール / にんじん amazon
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(ストーカー気質の男から送られてきた異様に大きな献花)その大きな花は雪見の目には異様としか映らない。花には何の罪もないのに、この家に食い込もうとする武内そのもののような毒々しさを感じる。
雫井 脩介「火の粉 (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
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その終わりは、くらくらするくらい遠くに見えた。
小川洋子 / 冷めない紅茶「完璧な病室 (中公文庫)」に収録 amazon
「事件・事故」カテゴリからランダム5
もうそこまで、炎の舌が這ってきた。
吉川英治 / 雲霧閻魔帳
「だいたい、あれは警察に強要され、誘導された供述だしな」義父が言う。 「強要されたからって、やってもいないことを簡単に認めるものなの?」 「冤罪に無知な人はそういう疑問を持つんだよ。実際の取り調べは並みの人では耐えられないほど過酷なんだ。
雫井 脩介「火の粉 (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
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