高く 掛かっていた半かけの白っぽい月がいつか光を増して来た。
志賀 直哉 / 真鶴「城の崎にて・小僧の神様 (角川文庫)」に収録 ページ位置:52% 作品を確認(amazon)
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月の光・月明かり
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前後の文章を含んだ引用
......はヒヤリとした。しかし女は何の興味もなさそうにちょっとこっちを見て、すぐまた男と話し続けたので、彼はほっとした。 夜が迫って来た。沖には漁火が点々と見え始めた。高く掛かっていた半かけの白っぽい月がいつか光を増して来た。が、真鶴まではまだ一里あった。ちょうど熱海行きの小さい軌道列車が大粒な火の粉を散らしながら、息せき彼らを追い抜いて行った。二台連結した客車の窓からさす鈍いランプ......
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月の光・月明かりの表現・描写・類語(空・中空のカテゴリ)の一覧 ランダム5
東山の上が、うす明るく青んだ中に、ひでりにやせた月は、おもむろにさみしく、中空 に上ってゆく。それにつれて、加茂川にかかっている橋が、その白々 とした水光 りの上に、いつか暗く浮き上がって来た。
芥川龍之介 / 偸盗
月の光が川面にちらちらと動いて編み針のように入り交じる
ジュール・ルナール / にんじん amazon
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「空・中空」カテゴリからランダム5
夕焼けの雲が西の空から広がって、厳かに見えるほど単純な深さで半天をばら色に染める
石森延男 / コタンの口笛・第2部 amazon
鮮肉のような夕映 の雲
夢野久作 / ドグラ・マグラ
宮沢賢治 / 銀河鉄道の夜
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