ふっくらした人が多いなかで彼女は細く、短いラグランＴを着ていて、エネルギーがあり余り外に向けてオーラとなって発散されている。

全体からかもしだされる生命力の揺れみたいな鮮やかな光──人間じゃないみたいだった。こんな人見たことない。《…略…》よくよく見れば確かに歳相応のしわとか、少し悪い歯並びとか、ちゃんと人間らしい部分を感じた。それでも彼女は圧倒的だった。もう一回会いたいと思わせた。心の中にあたたかい光が残像みたいにそっと輝いて、これが魅力っていうものなんだわ、と私は感じていた。初めて水っていうものがわかったヘレンみたいに、言葉が生きた姿で目の前に新鮮にはじけた。大げさなんじゃなくて、それほど驚いた出会いだったのだ。

千年杉を伐倒してみせたヨキは、神々しい輝きを放っていたんだ。

皺の多い顔で、肌が乾燥している。ただ、そこには、樹皮が剝がれつつも堂々と立つ大樹のような貫禄があった。幹が太く、押しても動かず、強風にも揺れない。

言葉さえ、彼はだんだん人格的に気をつけた。一日、膝も崩さない。生き身のまま、神になって行くような気がして来た。

死骸は皆、それが、かつて、生きていた人間だと云う事実さえ疑われるほど、土を捏（こ）ねて造った人形のように、口を開（あ）いたり手を延ばしたりして、ごろごろ床の上にころがっていた。

四階の図書室の窓から見える二人の背中は、心細いくらいに遠くはかない

幹事の立場で会へ参加してもらった礼を言う

彼女は一定の強さで彼の手を握り続けていた。その指には、患者の脈を測っている医師の、職業的な緻密さに似たものがあった。

すし詰め状態