四階の図書室の窓から見える二人の背中は、心細いくらいに遠くはかない
小川洋子 / 冷めない紅茶「完璧な病室 (中公文庫)」に収録 ページ位置:85% 作品を確認(amazon)
この表現が分類されたカテゴリ
遠くの人
しおりに登録する
前後の文章を含んだ引用
......歩いていた。彼らはぴったり身体を寄せ合い、腕を組んでいるようにも、手をつないでいるようにも見えた。「K君と、彼女だわ。」 わたしは、きっぱりと声に出して言った。四階の図書室の窓から見える二人の背中は、心細いくらいに遠くはかないのに、どうして彼らだと分るのか自分でも不思議だった。彼らは言葉を交わし合っているように見えた。背の高い彼が、首をかしげて耳を彼女の口元に近付けようとするその角度......
単語の意味
背中(せなか)
背中・・・背の中央。背骨のあたり。動物の胴体の背骨のある側。胸や腹と反対の面で、両肩の間から腰のあたりまでの部分。背(せ)。背面。
ここに意味を表示
遠くの人の表現・描写・類語(人の印象のカテゴリ)の一覧 ランダム5
四十メートルほども離れているので、その表情までは見極められない。
翔田 寛「真犯人 (小学館文庫)」に収録 amazon
四階の図書室の窓から見える二人の背中は、心細いくらいに遠くはかない
小川洋子 / 冷めない紅茶「完璧な病室 (中公文庫)」に収録 amazon
このカテゴリを全部見る
「人の印象」カテゴリからランダム5
(娘の死体を見る)母親は自身とは急に遠くなった物でも見るような一種 悽惨 な 冷淡 さを顔に表わして見ていた。
志賀 直哉 / 正義派「城の崎にて・小僧の神様 (角川文庫)」に収録 amazon
白い紙片が風に吹かれて路上を転がって行くような後ろ姿
黒岩 重吾 / 背徳のメス amazon
愛子は、大地の左手を、強く強く握り返した。握り返してしまった。 ただのてのひらが、お互いの体をつなぐ、たったひとつの結び目に変わる。
朝井 リョウ「武道館 (文春文庫)」に収録 amazon
同じカテゴリの表現一覧
人の印象 の表現の一覧
人物表現 大カテゴリ