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柱時計が止まったままなので、家の中は物音ひとつなかった。
宮本 輝 / 螢川「螢川・泥の河(新潮文庫)」に収録 ページ位置:14% 作品を確認(amazon)
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室内(空間)が静か
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......疲れを感じて目を閉じた。痙攣を起こして崩折れていく瞬間の父の顔が、胸の奥に刻み込まれていた。もうわしをあてにするなという父の言葉が聞こえて、彼は寝返りをうった。柱時計が止まったままなので、家の中は物音ひとつなかった。 竜夫はそっと起きあがって隣の部屋をのぞいた。柱時計の下に坐ったまま、千代は重竜の入れ歯を膝に置いてじっとうなだれていた。 四月に入って五日目に再び大雪が降った......
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