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私は月に光った自分の裸の肩をこの時程美しく感じた事はない。
林芙美子 / 新版 放浪記 ページ位置:35% 作品を確認(青空文庫)
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月の光・月明かり
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......のようなお月さん! どこかで氷を削る音と風鈴が聞える。 「こんなに私はまだ青春があるのです。情熱があるんですよお月さん!」両手を上げて何か抱き締めてみたい侘しさ、私は月に光った自分の裸の肩をこの時程美しく感じた事はない。壁に凭れると男の匂いがする。ズシンと体をぶっつけながら、何か口惜くやしさで、体中の血が鳴るように聞える。だが呆然ぼんやりと眼を開くと、血の鳴る音がすっと消えてお隣でやってい......
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