遠く弓なりに 百足 のような汽車が見え出す。
直哉, 志賀「暗夜行路 (新潮文庫)」に収録 ページ位置:25% 作品を確認(amazon)
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電車・汽車
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前後の文章を含んだ引用
......、今はその誰もいない孤独さに、彼は堪えられなくなった。下の方を烈しい響きをたてて急行の上り列車が通る。烟だけが見える。そしてその響きが聴えなくなると、暫くして、遠く弓なりに百足のような汽車が見え出す。黒い烟を吐きながら一生懸命に走っている。が、それが、いかにものろ臭く見えた。あれで明日の朝は新橋へ着いているのだと思うと、ちょっと不思議なような、嫉ましい気がし......
単語の意味
百足・蜈蚣(むかで)
百足・蜈蚣・・・ムカデ綱の節足動物の総称。体は平たく、ミミズのように細長い。輪のような節がたくさんあり、節ごとに一対の足がある。毒をもち攻撃的な特徴が武家に好まれた。足がたくさんあるので「客足がつく(=客がたくさん入る)」などと縁起物にされることもある。
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大げさな 唸りを上げて、ジーゼル気動車は再び雪原に滑り出た。
浅田次郎 / 鉄道員(ぽっぽや)「鉄道員(ぽっぽや) (集英社文庫)」に収録 amazon
車両が停車すると、空気の抜けるような音ともにドアが開いたのが感じられた。重藤は立ち上がり、通路に 数珠 繫 ぎになった乗客たちの隙間に入り込んだ。
翔田 寛「真犯人 (小学館文庫)」に収録 amazon
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飛行機の翼に塗った銀の色が、水銀のようにこぼれそうに鮮やかに翻(ひるがえ)る
大仏 次郎 / 雪崩 (1953年) amazon
そこでブレーキがかかった。車体がつんのめり、シートベルトに身体がひっかかる。
伊坂 幸太郎 / ラッシュライフ amazon
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