畳の目も、傷んだところは 藺草 が切腹して、なかから、キビガラの 芯 みたいなのがはみ出していた。畳の目ひとつひとつが小さなクッションになっている。
向田邦子 / 耳「思い出トランプ(新潮文庫)」に収録 ページ位置:31% 作品を確認(amazon)
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畳(たたみ)
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前後の文章を含んだ引用
......た。 丹念に截ったつもりでも、天眼鏡でのぞくと、爪の先はかなりギザギザになっている。手の甲の皮膚は、飛行機から見下す海面のように、細かい三角波が立ってみえる。 畳の目も、傷んだところは藺草が切腹して、なかから、キビガラの芯みたいなのがはみ出していた。畳の目ひとつひとつが小さなクッションになっている。考えてみれば当り前のことだが、楠は感心した。 辞書を引くときに使う天眼鏡でさまざまなものをのぞいていると、いっときの虫押えになった。 面白いのは、綿ごみである。......
単語の意味
黍稈・黍幹・黍殻(きびがら)
黍稈・黍幹・黍殻・・・(サトウ)キビやトウモロコシなどの茎の皮を取り除いた芯。
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アンペラの畳
林芙美子 / 新版 放浪記
時代のついたその畳には、彼の背中を蒸すような黄色い古びが心まで透っていた。
夏目 漱石 / 道草 amazon
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ある家の庭にはまるで何人もの人間の少年期の名残りを集めてぶちまけたみたいに、ありとあらゆる子供の遊び道具が並んでいた。三輪車や輪なげやプラスチックの剣やゴムボールや亀のかたちをした人形や小さなバットや木製のトラックなんかだ。
村上春樹 / ねじまき鳥と火曜日の女たち「パン屋再襲撃 (文春文庫)」に収録 amazon
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