夜眠れないとか、おかしくなりそう、などと電話越しにもヒステリックな様子が伝わってくるような、甲高く、息継ぎのタイミングがおかしい、胸がザワザワするような声を上げてきた。そして、それらの喚き声はだんだんと力ない泣き声へと変わり、最後はポツリとこうつぶやいたのだ。 ――私の気持ちを解ってくれるのは、理穂しかいない。
湊 かなえ / ポイズンドーター・ホーリーマザー「ポイズンドーター・ホーリーマザー (光文社文庫)」に収録 ページ位置:60% 作品を確認(amazon)
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情緒が不安定・感情的な性格
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前後の文章を含んだ引用
......けど、弓香はあきらめず、隣町まで行くから、車で往復する一時間と話をする一時間、計二時間をどうにか作ってもらえないか、と食い下がってきた。 それでも渋っていると、夜眠れないとか、おかしくなりそう、などと電話越しにもヒステリックな様子が伝わってくるような、甲高く、息継ぎのタイミングがおかしい、胸がザワザワするような声を上げてきた。そして、それらの喚き声はだんだんと力ない泣き声へと変わり、最後はポツリとこうつぶやいたのだ。 ――私の気持ちを解ってくれるのは、理穂しかいない。 弓香を親友だと思ったことは一度もない。それどころか、顔を見るのも嫌だった時期もある。それでも、記憶を遡り、一番仲の良かった中学生の頃を思い出すと、なんだか可哀......
単語の意味
胸(むね)
息継ぎ(いきつぎ)
息継ぎ・・・1.息を継(つ)ぐ(=絶えないように補給する)こと。
2.歌や演奏、朗読の途中などで息を吸い込むこと。
3.泳いでいる途中、水から顔をあげて息を吸いこむこと。
4.仕事の途中で、ひと息入れる(=すこし休む)こと。息休め。
2.歌や演奏、朗読の途中などで息を吸い込むこと。
3.泳いでいる途中、水から顔をあげて息を吸いこむこと。
4.仕事の途中で、ひと息入れる(=すこし休む)こと。息休め。
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羊男の思考のリズムはどことなく不均一で、それが部屋の空気をのばしたり縮めたりしているように感じられた。
村上 春樹「羊をめぐる冒険」に収録 amazon
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私の心を充たしていた幸福な感情はだんだん逃げていった。
梶井基次郎 / 檸檬
深いアルコールの霧の中を彷徨いはじめた。
村上 春樹「羊をめぐる冒険」に収録 amazon
熱病患者のように濁りきった頭
有島武郎 / 或る女
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