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思い出は、毎年の落葉のようなものだけれども、落葉のように、早く腐蝕してゆくわけのものでもない。
林 芙美子 / うず潮 (1964年) 作品を確認(amazon)
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単語の意味
腐食・腐蝕(ふしょく)
腐食・腐蝕・・・金属などの表面がさびたり、薬品などで化学反応で変化すること。また、その現象。
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僕たちが共有しているものは、ずっと昔に死んでしまった時間の断片にすぎなかった。それでもその暖い想いの幾らかは、古い光のように僕の心の中を今も彷徨いつづけていた。そして死が僕を捉え、再び無の坩堝に放り込むまでの束の間の時を、僕はその光とともに歩むだろう。
村上 春樹「1973年のピンボール (講談社文庫)」に収録 amazon
(思い出話)乙松は半世紀分の愚痴や自慢を、思いつくはしから口にした。 それらは古ぼけた制服の胸ふかく、たとえば機関車の油煙の匂いや炭ガラの手ざわりとともに、 澱 のように凝り固まっている記憶だった。ひとつの出来事を語るたびに、乙松の心は確実に軽くなった。
浅田次郎 / 鉄道員(ぽっぽや)「鉄道員(ぽっぽや) (集英社文庫)」に収録 amazon
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