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甘い喉ごし。胃に到るまでのワインの通り道はティエンの心そのままのように焼けて行った。
山田詠美「新装版 ハーレムワールド (講談社文庫)」に収録 ページ位置：16% 作品を確認（amazon）
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ワインを飲む
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前後の文章を含んだ引用
......て、ゆったりと床に降りて行くのが解るほどだった。 サユリは静かに目を開けて微笑した。「いただきましょ」 どす黒いと思われたその液体は、グラスを通すと金色だった。甘い喉ごし。胃に到るまでのワインの通り道はティエンの心そのままのように焼けて行った。 自分はサユリからもう離れられないだろう。ティエンは、漠然と、そう感じた。今まで彼が馬鹿にしていた他の男たちの気持が解るような気がする。彼女を憎んで軽蔑したいと......
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