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ワインを注意深く口にふくみ、それから喉の奥に送りこんだ。しばらくは口の中に心地良い風味が残ったが、数秒待つとそれも、まるで夏の葉の朝露が蒸発するときのように、あとも残さず消えていった。そのようにして舌が、次の料理のひとくちを味わう準備を整えるのだ。
村上春樹「スプートニクの恋人 (講談社文庫)」に収録 ページ位置:20% 作品を確認(amazon)
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前後の文章を含んだ引用
......、結局いちばん役に立つのは、自分の体を動かし、自分のお金を払って覚えたことね。本から得たできあいの知識じゃなくて」 すみれはグラスを手にとり、ミュウの真似をしてワインを注意深く口にふくみ、それから喉の奥に送りこんだ。しばらくは口の中に心地良い風味が残ったが、数秒待つとそれも、まるで夏の葉の朝露が蒸発するときのように、あとも残さず消えていった。そのようにして舌が、次の料理のひとくちを味わう準備を整えるのだ。ミュウと二人で食事をし会話を交わすたびに、なにか学ぶことがあった。それほど多くのことを自分が知らなかったという事実に、すみれは単純に驚かないわけにはいかなかった......
単語の意味
暫く・姑く・須臾(しばらく)
暫く・姑く・須臾・・・1.長いと感じるほどではないが、すぐともいえないほどの時間。ちょっとの間。一時的。
2.ちょっと待った!
2.ちょっと待った!
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十五年間の静かな眠りから覚め、たっぷりと新鮮な空気に触れて生き生きと香り立っていた
海老沢泰久 / 美味礼讃 amazon
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ワインのグラスを手にとり、口もとに運んだ。光線の加減で、彼女の瞳が一瞬ワインの深い葡萄色に染まったように見えた。
村上春樹「スプートニクの恋人 (講談社文庫)」に収録 amazon
ミュウは1986年もののメドックの色を確かめ、それから文体を吟味するみたいに、いろんな角度から丁寧に味わった。
村上春樹「スプートニクの恋人 (講談社文庫)」に収録 amazon
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彼女はグラスを回して赤ワインを揺らせ、その波紋をしばらく眺めていた。誰かの運勢でも見るみたいに。
村上 春樹 / 色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年 amazon
飲んでも飲んでも顔に出ない体質
小池真理子「愛するということ (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
(アルコールに強い)「そんなにお酒飲んで車を運転できるの?」とその子が心配そうに訊いた。 「心配ない」と僕は言った。「僕はアルコールに関してはアンダー・パーなんだ」 「アンダー・パー?」 「四杯飲んだくらいでちょうど普通になるんだよ。だから何の心配もない。大丈夫」
村上春樹 / ファミリー・アフェア「パン屋再襲撃 (文春文庫)」に収録 amazon
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