そばの味、おいしさを伝える表現・描写

麺は太く喉越しはゴツゴツ

冷たい蕎麦の横綱が「ざる」だとしたら、「かけ」が温かい方の横綱

汁に軽くつけてざる蕎麦をすすると、鰹節のほんのりとした香りが口いっぱいに広がる

大根おろしとネギがたっぷりと添えられた名物の大盛りそば

そばが酒の友として好ましいのはだし汁の付け加減で自分で味を濃くも薄くもできるところにある。もちろんそばの香り、味も酒によく合う。だから酒の肴としては、盛りか、ざるが適してる。

茹でたての十割そばはキリリと角が立ち、透き通ってピカピカ。大皿の山盛りに、次々と箸が伸びる。

そばは一度にたくさんほお張って、ぐうっとそばが喉をこすって入るように食べる。そのときの感触にそばの味のおいしさがある。

そばは黒く太く、それが強く縒ったように捻れている

茹で上がったそばを夏さながらザルにあけて、上から一気に冷水をかけてざくざく洗う。素早く冷やすことでシコシコプリプリ締まったものになるらしい。

太めの手打ちそばはコシが強く、そばの風味がしっかりしている

油にまみれた唇に油にまみれた焼きそばをワシワシと大量に押し込むおいしさ。だんだん身を持ち崩していくようなやるせなさ。

そばは手ごね機械打ち

（鴨南そば）ネギの焦げ目が香ばしい匂いを立てている。鴨肉がレモン色の脂をにじませて、つゆに浮いている。

締めで食べる蕎麦。お酒が喉に染み渡ったあとに、蕎麦のツユが染み渡っていく感じも悪くない。

そばが、酒の友として好もしいのは、ダシ汁のつけ加減で、自分で味を濃くも淡くもできるところにある。もちろん、そばの香り、そばの味も酒によく合う。だから、酒のサカナとしては、もり、ざるか適している。

箸を上げると、長い奴が勢揃（せいぞろ）いをして一尺ばかり空中に釣るし上げられる。迷亭先生もう善かろうと思って下を見ると、まだ十二三本の尾が蒸籠の底を離れないで簀垂（すだ）れの上に纏綿（てんめん）している。

笊（ざる）は大抵三口半か四口で食うんですね。それより手数（てすう）を掛けちゃ旨（うま）く食えませんよ

つゆへ、どっぷりと蕎麦をつけこんでしまっては、とてもとても、 「食べられたものではない」 　のである。 　あの濃いつゆへ、蕎麦の先をつけてすすりこめば、蕎麦の香りが生きて、つゆの味にとけ合い、うまく食べられる

母は東京生れのくせに、あまり興味をしめさぬ。

手製のもりそば。

どろりとしたそばづゆに、唐辛子を浮かしてすする。