陰士の顔の影がちょうど壁の高さの三分の二の所に漠然 と動いている。好男子も影だけ見ると、八 つ頭 の化 け物 のごとくまことに妙な恰好 である。
夏目漱石 / 吾輩は猫である ページ位置:36% 作品を確認(青空文庫)
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影
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前後の文章を含んだ引用
......る片足も踏み込む。一穂 の春灯 で豊かに照らされていた六畳の間 は、陰士の影に鋭どく二分せられて柳行李 の辺 から吾輩の頭の上を越えて壁の半 ばが真黒になる。振り向いて見ると陰士の顔の影がちょうど壁の高さの三分の二の所に漠然 と動いている。好男子も影だけ見ると、八 つ頭 の化 け物 のごとくまことに妙な恰好 である。陰士は細君の寝顔を上から覗 き込んで見たが何のためかにやにやと笑った。笑い方までが寒月君の模写であるには吾輩も驚いた。 細君の枕元には四寸角の一尺五六寸ばかりの......
単語の意味
妙(みょう)
妙・・・とてもいい。非常に優れている。または、不思議、奇妙なこと(さま)。
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淡い影の中にいた。影には色がなかった。
村上 春樹「羊をめぐる冒険」に収録 amazon
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店屋の明りは、二人が歩いている間にも、歯が抜けるように、あっちこっちで消えていき
石坂 洋次郎 / 山のかなたに amazon
明かりが不意に暗くなった。すぐに元に戻る。 蛍光灯の大きなほうが切れかかっているのだ。
雫井 脩介「火の粉 (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
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