(手マン。老人の)土中に 棲む幼虫のようにぶよぶよと白い指先に、執着とも憎悪ともつかない情念がこもる。
沼田 まほかる「彼女がその名を知らない鳥たち (幻冬舎文庫)」に収録 ページ位置:52% 作品を確認(amazon)
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指の雰囲気・状態
愛撫(前戯)
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前後の文章を含んだ引用
......おかずその数日後にまた国枝に抱かれた。もう最後なんだから我慢してもらうよ、と国枝は言って、黒崎なら考えつきもしないような緻密で周到な仕草を十和子に仕掛けてきた。土中に棲む幼虫のようにぶよぶよと白い指先に、執着とも憎悪ともつかない情念がこもる。長い鬼気迫る静寂が部屋に落ちて、十和子ひとりの息の音が場違いに、耳障りに、途絶えてはまた続いた。〈黒崎君とはきっぱり別れなさい。これは、あんたのために言ってるん......
単語の意味
指先(ゆびさき)
指先・・・手や足の、指の先端。指の先っぽ。指頭(しとう)。指端(したん)。
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父親は電話でもかけるように母親の生殖器に口をつけ
芥川 龍之介 / 河童 amazon
闇夜の中でいじられると情けないことには体は心の言うことを聴かなくなり
遠藤 周作「海と毒薬 (角川文庫)」に収録 amazon
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括(くく)り猿のような拳
前田河広一郎 / 三等船室「現代日本文学大系 (59)」に収録 amazon
「恋愛」カテゴリからランダム5
愛撫の手は少しずつ女の下腹に移り、しなやかな恥毛を経て細い 陥穽 の中に落ちた。
阿刀田 高 / 捩れた夜「ナポレオン狂 (講談社文庫)」に収録 amazon
恋をしたかったのだ。それも最適な場所で、最適な男と恋をしたかったのだ。京都は久仁子の好みに合い、高志は久仁子の好みに合った。なにもかもできすぎの舞台装置だったと、今さらながらため息がもれる。 その時だ。久仁子は耳をすませた。遠いどこかで、芝居が終る拍子木が聞こえたような気がしたのだ。
林 真理子 / 京都「最終便に間に合えば (文春文庫)」に収録 amazon
(猫の交尾)アオン、とスカーレットが声を上げる。体の奥底から熱い塊を吐き出すような声。
湊 かなえ / マイディアレスト「ポイズンドーター・ホーリーマザー (光文社文庫)」に収録 amazon
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