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彼女の細い指は顔に似合わず、円い肉をつけていて、それが月の光をあびて白い虫のように輝いていた。
野間 宏 / 残像「暗い絵・顔の中の赤い月 (講談社文芸文庫)」に収録 ページ位置:42% 作品を確認(amazon)
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指の雰囲気・状態 月の光・月明かり
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......らえることができるのだろうと考えたりしたことを思い起した。そしてまた彼はその便所の横の植え込みのところで、しばらく、互いの両手を渡し合ったことなどを思い起した。彼女の細い指は顔に似合わず、円い肉をつけていて、それが月の光をあびて白い虫のように輝いていた。そして彼女はその指に、急に、全身の力をこめて、彼の手の骨をしめつけ、また力を抜くのだった。 あのような時、二人はこの人生というものを全く知りはしなかった。しかし......
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漆黒の空に錐で穴をあけたようなやけに鮮明な月が、私たちを見下ろしていた。
村田 沙耶香「しろいろの街の、その骨の体温の」に収録 amazon
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妙にガサガサ荒れた手
林芙美子 / 新版 放浪記
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